落語家からジャズやポップスまで多彩なコラボ
筆者もこれまでに、何度かインタビューしたが、彼女の音楽に対する間口の広さ、というよりはほとんど制限のない森羅万象に対する尽きない興味には驚かされ、また納得させられる。
パンクからクラシックに至るまでは音楽であるから当然として、カール・ルイスやマイケル・ジョーダンに影響を受けたと言い、タップダンサー・熊谷和徳や落語家・笑福亭鶴瓶とのコラボ・ライヴもやる。チック・コリア、矢野顕子、綾香、東京スカパラダイス・オーケストラといったアーティストとは当然のようにコラボする。
こうした柔軟性は、他のジャズ・アーティストにはない。そこに上原ひろみの天性を見るのだ。
今回のグラミーで、上原含め4人の日本人がグラミーを受賞した。すごいことだ。が、その中でやはり上原ひろみの受賞が、筆者にとっては最も喜ばしい。
ついでに言うと(ついでといったら怒られそうだが)、まるでグラミー受賞がわかっていたかのように、3月には上原ひろみの音源がドドッと登場する。スタンリーとの2作は言わずもがな。
まずは、待望のニューアルバム『ヴォイス』が3月16日に日本先行リリース。アンソニー・ジャクソン、サイモン・フィリップスを迎えたトリオ作品。全9曲。同時に、ソロピアノDVD『ライブ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』も再発! これは、昨年末のツアー会場とオフィシャルサイト限定で発売されていたもの。10年8月のブルーノート・ニューヨーク公演から全11曲+ツアードキュメント映像を収録している。
上原ひろみ祭りの始まりだ!!
加藤 普
【スタンリー・クラーク・バンド 収録曲】
1. ソルジャー
2. フラニ
3. ヒアズ・ホワイ・ティアーズ・ドライ
4. アイ・ワナ・プレイ・フォー・ユー・トゥー
5. ベース・フォーク・ソング No.10
6. ノー・ミステリー
7. ハウ・イズ・ザ・ウェザー・アップ・ゼア?
8. ラリー・ハズ・トラベルド・11マイルス・アンド・ウェイテッド・ア・ライフタイム・フォー・ザ・リターン・オブ・ヴィシュヌズ・レポート
9. ラビリンス
10. ソニー・ロリンズ
11. ベース・フォーク・ソング No.6 <モー・アナム・カラ>
12. サムウェア (日本盤のみのボーナス・トラック)