スタンリー・クラーク・バンドfeat.上原ひろみ
スタンリー・クラーク・バンド
UCCT-1221
2500円
2010年6月2日発売
ユニバーサルクラシック/ヘッズアップ
海外で活躍中の日本を代表するジャズ・ピアニスト=上原ひろみ。もうご存知だろうが、先日発表があった第53回「グラミー賞」で最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞を受賞した。
受賞の対象となったのは、10年6月にリリースされた、スタンリー・クラーク・バンドfeat.上原ひろみによる『スタンリー・クラーク・バンド』。
スタンリー・クラークが高く評価
スタンリー・クラークといえば、1970年代のフュージョン全盛期を代表するトップ・ベーシスト。ごりごりのジャズ・ベースというよりは、よりソフィスティケートされた音を聴かせる。そのスタンリーは、上原ひろみの才能を高く評価し、09年の『ジャズ・イン・ザ・ガーデン』以来、レコーディングやツアーをともにしている。
正直なところ、このアルバムがジャズ部門でグラミーを受賞したのは、まったく上原の参加した結果だと思える。もちろん、スタンリー・クラークのリーダーアルバムだから、スタンリーが前面に出ているのは当然だが、全13曲中6曲で演奏している上原の書き下ろし曲「ラビリンス」、日本盤のみのボーナス・トラックとはいえ彼女のソロ・アルバム『プレイス・トゥ・ビー』からのセルフ・カヴァー「サムウェア」などが収録されていて、上原色も相当に前に出ている。そこがジャズなのだ。
グラミー受賞ということで、上原ひろみはもう一段高みに上り詰めた感があるが、ジャズ・ピアニストとしての上原の実力は、とうの昔に世界のトップまで上り詰めていた。それは、天才的なひらめきと、まったくゆるぎないテクニカルな裏づけがあってのもので、ことにライヴでのパフォーマンスには圧倒される。