「島人」でさえ理解できない 下地勇の宮古島方言歌謡

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ひとところにとどまらない音楽性

   それでも、今作は「聴きやすさ」という衣を着ているようにも思う。なにか南欧風の(ファドのような)曲もある。宮古島独特の方言の「ミャークフツ」で歌われているにもかかわらず、沖縄を感じない。むしろワールドワイドな印象を受けた。

   これが正しいかどうかはわからないが、8曲目「アトゥダマ ドゥ ウプダマ」などはスカのようでもあるが、どちらかといえば韓国のポンチャック歌謡のようにも受け取れる。余談だが、5枚目のアルバム『3%』は韓国内の音楽専門誌で、2008年度のベストアルバムに選出されたこともある。韓国、台湾でも下地の音楽は違和感なく受け入れられ聴かれているのも、納得と言えば納得か。

   是非一度でいいから下地勇の音楽と出遭ってください。とても心豊かで得した気分になれますから。

加藤 普

【NO REFUGE 収録曲】
1.Kari
2.差
3.Reset
4.雨ざらしの椅子
5.AKATZ
6.嬉しくなりたい
7.ハイエナの哀しみ
8.アトゥダマ ドゥ ウプダマ
9.ラストワルツ(ストリングス・バージョン)
10.浜辺の老人

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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