ひとところにとどまらない音楽性
それでも、今作は「聴きやすさ」という衣を着ているようにも思う。なにか南欧風の(ファドのような)曲もある。宮古島独特の方言の「ミャークフツ」で歌われているにもかかわらず、沖縄を感じない。むしろワールドワイドな印象を受けた。
これが正しいかどうかはわからないが、8曲目「アトゥダマ ドゥ ウプダマ」などはスカのようでもあるが、どちらかといえば韓国のポンチャック歌謡のようにも受け取れる。余談だが、5枚目のアルバム『3%』は韓国内の音楽専門誌で、2008年度のベストアルバムに選出されたこともある。韓国、台湾でも下地の音楽は違和感なく受け入れられ聴かれているのも、納得と言えば納得か。
是非一度でいいから下地勇の音楽と出遭ってください。とても心豊かで得した気分になれますから。
加藤 普
【NO REFUGE 収録曲】
1.Kari
2.差
3.Reset
4.雨ざらしの椅子
5.AKATZ
6.嬉しくなりたい
7.ハイエナの哀しみ
8.アトゥダマ ドゥ ウプダマ
9.ラストワルツ(ストリングス・バージョン)
10.浜辺の老人