香川県内の麺(めん)業界が定着を目指している「年明けうどん」。2011年で3年目となる取り組みへの認知度は、徐々に増しているようだ。関係者も手応えをつかんでいるのは確かだが、「(お正月に食べるのが)当たり前のレベルにまでもっていきたい」とさらなる意欲を語る。
年々増加する商標使用の希望
香川県内の麺業界団体・企業で作る「さぬきうどん振興協議会」が「年明けうどん」を提唱しはじめたのは2008年。うどん消費量の落ち込みを打開しようと、「年越しそば」に対抗し提案した。太くて長いうどんは古くから、長寿を祈る縁起物として知られているという。赤いトッピングを添えるのが特長で、かまぼこ、エビ天、梅干しなどをのせて食べる。
「年明けうどん」の商標使用を希望する業者は年々、増加している。同協議会によると、2010年11月23日現在、製麺業や食品製造業、流通業など45都道府県391社が申請。前年(2010年1月15日集計)に比べて、66件の増加だ。「流通サイドでは取り組みが大きくなりはじめ、だんだん浸透してきたようだ」と事務局長の諏訪輝生さんは手応えを語る。
香川県内にあるうどん店では、元日から「年明けうどん」を提供する店舗が前年の49店舗から66店舗に拡大。また、香川県内にある栗林公園、土庄八幡神社、善通寺でも元日、数量限定ながらも無料でふるまう行事も予定している。前出の諏訪さんは「年越しそばのように家庭で食べるのが当たり前のレベルにまでもっていくのが目標」だと言い、お正月の新しい食習慣のさらなる定着を目指している。