北京の車販売数は月10万台に達する勢い
今回見た中古車の中での最高値はロールスロイス(羅楽斯羅伊斯)。2009年型で668万元(約8400万円)。ロールスロイスの新車には780万元(約1億円)の値段がついていた
急速な経済発展を遂げる中国。仮に人口のたった1%しか富裕層でないとしても、13億人の1%だから絶対数が多い。実際、日本では道路を走っているのを一度も見かけたことがないランボルギーニを、北京市内では1年間に数回目にする。たいてい渋滞にひっかかっていて、その性能をまったく発揮できない北京でなぜランボルギーニ?と聞きたくなるが、「使い切れないお金をもてあましている層」が買うのだそうだ。
とはいえ中国でも、もはや車は富裕層だけのものではない。2009年末の統計によると北京市内の家庭用自家用車は218.2万台で、100世帯あたり平均36台。2台目を購入する家庭も増えているという。北京の従業員平均年収は4.84万元(約61万円)で、中古車なら2、3万元ぐらいから手に入るから、普通の会社員であっても自家用車に手が届くようになってきたのだ。結婚の三大条件は「房子、車子、票子」(マンション[それも親とは別居]、自家用車、現金)とも聞く。日本で1960年代の女性が理想の結婚条件とした「家付きカー付き婆抜き」と同じである。
2010年11月の北京での車販売数は9万6,000台に到達し、1カ月間の販売数で過去最高となった、というニュースが流れた。12月は10万台を超えると予想されている。北京はいままさにマイカーブームといえる。
2008年のオリンピック以降、さらにひどくなっている北京の渋滞は、急増する自家用車で今後さらに拍車がかかるだろう。渋滞にひっかかったランボルギーニやポルシェを目にする機会もますます増えそうだ。
小林真理子