年賀状「初体験」の小学生が知った 手書きで気持ち伝える大切さ

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おじいちゃん、おばあちゃんに褒められ大喜び

   年賀状を誰に送り、何を伝えたいか。こう問われた生徒たちは、「普段会えない人に送りたい」「おじいちゃん、おばあちゃんにしよう」「また遊ぼうって書こうかな」と思い思いに答える。はがきサイズの用紙が配られると、友だち同士で相談しながら内容を決めて書き始める子もいれば、ひとり黙々と、プロのイラストレーター顔負けの腕前でうさぎの絵を丁寧に描いていく男の子もいる。「書きあがったものは、年賀状コンクールに出します」との担任の言葉に、各自が熱心に取り組んだ。

   文字も絵も、配られた教材を参考にする生徒が多い。年賀状未経験の子どもが少なくないだけに、何をどう書けばよいか「手がかり」となるようだ。郵便事業株式会社国内営業統括本部の林智恵子氏は、「教材は、現場の先生の意見を取り入れながらアップデートしています」と話す。教材には、「出していない人からきたら返事を出そう」と、礼儀を学ぶ内容もある。年の初めの挨拶だけに、元日に相手の手元に届くよう、12月25日までに投函することで、期日を守ることの大切さも意識できるようになるだろう。

   授業の最後には、自分の手を動かして作ったオリジナルの年賀状を手に、生徒たちは満足げな表情を浮かべた。「年賀状の書き方を知らなかったけれど、授業のおかげでよく分かった」「自分で絵や文字を考えて書くのは大変。でも楽しかった」と、貴重な体験となったようだ。

   林氏によると、これまで同様の授業を開いた学校からはお礼の電話や感想が寄せられたという。

「年賀状を送った先のおじいちゃん、おばあちゃんから『字がきれいね』『絵がとっても上手』と褒められて大喜びしたお子さんもいました」

   手書きの大変さを実感することで、返事をくれた相手の苦労も理解できるようになる。林氏は、「将来は、年賀状を出して返事をもらうという一連のやり取りも教えてもらえるようになれば、生徒たちもまた違った勉強ができると思います」と、今後の継続的な取り組みに期待を寄せている。

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