年賀状「初体験」の小学生が知った 手書きで気持ち伝える大切さ

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   長年続いている年賀状の習慣が、子どもたちにとっては「当たり前」とは言えなくなっているようだ。手紙やはがきを書く機会が減少し、正しくあて名を書けなかったり、自分の住所を覚えていなかったりする子どもまで出てきた。

   はがきに自分の気持ちを文字や絵で表現して相手に伝える行為は、重要なコミュニケーションの一つ。そこで郵便事業株式会社(日本郵便)では、小学校で手紙や年賀状の書き方を指導できるような教材を作成し、授業での取り組みを支援している。

学校で書き方教えられる教材を準備

教材を見ながら年賀状の書き方を学ぶ
教材を見ながら年賀状の書き方を学ぶ
「教材に印刷されている年賀はがきに、郵便番号を書いてみましょう」
「先生、僕、いつも郵便番号書いてないよ」
「お、それはいかんな。ちゃんと書かなきゃダメだぞ」

   担任の教師と生徒のこんな会話が飛びかったのは、千葉県野田市立南部小学校の6年生の教室。3、4時間目の授業で、36人の生徒が年賀状の書き方を学んだのだ。各自の机の上には、日本郵便が制作した教材がある。あて名の書き方から新年のあいさつで使う言葉、2011年の干支(えと)「うさぎ」をはじめ羽子板や鏡もちのイラスト例まで掲載された、子ども向け「年賀状マニュアル」だ。テキストにじかに書き込んで練習したり、絵柄を参考にしたりできる。

   年賀状をはじめ、はがきや手紙をやり取りする子どもは減っている。09年度の文部科学省調査によると、全国の小学校6年生ではがきのあて名を正しく書けたのは67.1%にとどまったという。南部小でも、今回の授業が「人生初の年賀状体験」と話す生徒もいた。子どもにとって、ペンを取って年賀状を書く機会が失われている現状に、日本郵便は08年、「学校で書き方を教えられる教材を」と低、中、高学年用をそれぞれ準備。全国の小学校に向けて、子どもたちに年賀状の体験授業の時間を設けてほしいと呼びかけた。10年12月までに、参加校の数は2406校に達し、賛同する学校は増えている。

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