ある企業が新入社員試験の面接時にこんな質問を受けた。
『どんな合理化策で「価格破壊」が実現できたのですか?』
回答は次のようなものだ。
『社長の役員報酬に上限を設け、社長を含め全社員が管理者にならず生産者となる。購買等の稟議書を無くし、許可制を廃止』『一番ユニークな合理化は、内部監査を「税務署の調査」に委ねている事です。 内部監査システムの構築・維持管理は大きな費用が必要です』『チラシやホームページで業績や社長の報酬(池田義之氏、役員報酬780万円)を告知していますが、税務官も自宅でこれらの情報を見ることができますから、偽りがあれば、直ちに指摘されるので嘘は記載できません』
この企業とは、「会社が上げた利益はお客様と社員に還元するのが一番との理念の下、思い切った価格破壊で年商85億円、広島を中心に全国120店舗以上でメガネチェーン「メガネ21」を展開する株式会社21だ。テレビ東京系「カンブリア宮殿」でも取り上げられているので、ご存じの方も多いだろうが、この会社の最大の特徴はその「丸見え経営」にある。冒頭の回答の内容以外にも、全社員の給料・人事評価、財務、稟議を社内ウェブで公開。また、内部留保ゼロというのだから大胆だ。
株式会社21相談役・平本清氏が上梓した『丸見え経営 すべてを見える化すると効率が劇的に高まる!』(ソフトバンク クリエイティブ、2010年10月27日発売)には、そのタイトルの言葉どおり、同社が実践する「超」効率経営のノウハウがすべて詰まっている。
単行本、232ページ。定価1575円。