閑話休題 ―大人音(OTO NA OTO)―(1)

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   CDや音の紹介ではなく、筆者個人の音楽に対する諸々の見解などを書きたいと思っていました。今回は、その記念すべき第1回ということで「音楽ってなに?」という、どうでも良いような、難しいような、たくさんの意見もありそうで、悪くすれば論争の種にもなりそうなことを(?)書かせてもらいます!

「音を楽しむ」か「楽しい音」か

   こういう場合は、まず「音楽」を文字としてどう読み取るか? 「音を楽しむ」のか? それとも「楽しい音」か? というあたりから入るといいかもしれない。

   「音を楽しむ」ということであれば、楽しむ主体者は誰なのかが語られなければならない。それは聴き手でもあり、演奏者でもありうるけれど、いずれにしても「主体的」に音と関わる中心存在がある言葉だと思う。

   反対に、「楽しい音」ということになると、けっこう、放置プレー気味な言葉の印象。「誰にとって」というむしろ客体者(こんな言葉あったっけ?)が問われる言葉だ。

   いま音楽を生業にし、音楽と向き合っている人たちは、音楽との間にどんなスタンスを取っているのだろう?

   「音楽」は、誰が書いたのかは不明だが“Wikipedia”によれば「人間が組織づけた音である」とある。うまい! 座布団でもあげたいくらいだが、これはどちらかといえば「音を楽しむ」という主体的な音との関わりが元になっているようだ。

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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