この本、飲み屋でちょっと知ったかぶって、いい気持ちになりたい人には特におすすめしたい。こう書房から2010年10月5日に発売された『にほんとにっぽん なにが違うの?―知っているようで実は違いがわからない日本語の雑学』(著・妹尾みのり)だ。書籍のタイトルは長ったらしいが、中身は極めて簡潔。我々、日本人が知っているようで、じつは知らない、似たような言葉・事象に関して、整然とその違いや現状を解説している。
たとえば、同書のタイトルにもなっている「にほん」と「にっぽん」の違いは何だろう?
著者は、日本という国号が使われ始めたころは、おそらく「にっぽん」と発音していたのではないかとし、どちらが正しいかは決まっていないと記す。また、2009年の閣議決定においても、両者とも広く通用しているため、どちらか一方に統一する必要はないと判断されている。
では、「整体」と「カイロプラクティック」の違いはどうだろう。著者の説明は、こうだ。整体は、東洋医学が基本にあり、体を全体的に見てマッサージや指圧などの手技を用いて治療するもの。これに対し、カイロプラクティックは、アメリカのD・D・パーマーが創始した西洋の技術で、治療は明確な理論に基づいた科学的なものだとした。
ほかにも、「ヲタクとマニア」や「社会保険と国民健康保険」「台風とハリケーンとサイクロン」「救出と救助」「コラボとタイアップ」「領収書と領収証」など、気になる似たもの同士をとりあげている。
単行本(ソフトカバー)、224ページ。定価1365円。