人間にとって「食」はなくてはならない重要な要素だ。その「食」において、日常的に摂取する肉や魚、野菜、果物などがもっている「薬膳的効能」を詳しく紹介しているのが、実業之日本社から2010年9月3日に発売された『毎日役立つ からだにやさしい 薬膳・漢方の食材帳』(監修・薬日本堂)だ。
同書でとりあげているのは、スーパーなどで手に入る食材197種類。体質タイプや症状により、必要な食材を教えている。
たとえば「乾物」のなつめは、胃腸の調子を整え、心を穏やかにする働きがあるとし、なつめ酒には貧血を解消して、心と体の疲れを回復させる作用が、また、なつめとあわのお粥(かゆ)は、胃腸の働きが低下していると感じたときに効果的だと説明。魚介類のはまぐりには、のどの渇きをとり、むくみを解消するとし、ほうれんそうやしょうがと組み合わせてとることによる効果を解説している。その他、なっとう、とうふ、うなぎ、ウーロン茶、鳥肉、しいたけといった多くの身近な食材にも詳説があり、これらを知ることで日々の食生活も変わるだろう。
料理レシピも豊富。薬膳と漢方の基本講座付き。
単行本、176ページ。定価1575円。