CDより良い音が聴ける配信方法
実はこれ、CDというパッケージメディアではなく、ネット配信なのだ。
昨年6月、株式会社クリプトンが運営する音楽配信サービス「HQMストア」(HQM=High Quality Music)でデータ配信による音源販売をはじめたのだが、音源のクオリティが非常に高い。
従来のネット配信で用いられているMP3フォーマット等は圧縮前のデータに戻すことができない非可逆圧縮方式だが、これは圧縮前のデータに戻すことができる可逆圧縮方式のFLACフォーマットで配信している。だから、スタジオ・マスターと同水準の高音質なデータ(88.2kHz/24ビット)で、通常のCDクオリティ(44.1kHz/16ビット)を凌駕する。クラシック音源でありながら、CDより良い音が聴けるのだ。
この7月には「平均律クラヴィーア曲集」第1巻(BWV846~869) がすでに配信されていて、今回は第2巻の配信。これからは、こうした音源すらネット配信へシフトするという先駆けの感があり、「音盤」の残る可能性がいよいよ狭められるような気がしている。こうした流れ、傾向は増えていくに違いない。e-onkyo musicなども同様に展開している。
パソコンでも再生可能だが、専用プレーヤーなど高音質機器と接続すれば、音源のハイクオリティな聴きごたえある再生ができる。
加藤 普
【J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第2巻 収録曲】
・24の前奏曲とフーガ
第1番 ハ長調 BWV870~第24番 ロ短調 BWV893