12年かかった素材開発
新商品の「ムーニーパンツ 下着仕立て」は、ユニ・チャームがじつに12年もの歳月をかけて開発した素材、「ソフトレッチ」を使っている。それによって、おむつに付きものの、おなか周りの糸ゴムをなくして、より布地のパンツをはくように、おむつを着けることができるようになった。
新開発の「ソフトレッチ」は、まさに「素材革命」である。生地の表面の凹凸が少なく、素材が肌に「面」でフィットすることで、肌への刺激を大幅に低減する。従来のような糸ゴムを使用しないのが特徴で、やわらかく、なめらかな肌ざわりを実現した。糸ゴムがなくてもずれたりしないのは、伸縮性に優れているためで、従来の伸縮性のない不織布素材と比較すると、ソフトレッチは素材そのものが2.2倍の伸縮性をもつ新素材となっている。そのため、寝返りやハイハイするとき、また赤ちゃんの成長にあわせて、からだにフィットするわけだ。
新素材について、ユニ・チャームは「極細の繊維状にするまで数年かかり、その1本の伸縮する繊維をシートにするのに数年。さらに赤ちゃんが使用できる伸縮レベルに仕上げるために数年を要した」としている。
そこから「パンツ型」にするのに、今度は「締め付けないのはいいが、はかせにくい」という課題を解決するため、「100を超える条件を組み合わせて、数えきれないくらいの試作品をつくった」という。
開発担当者は、「ふだんから、われわれがはく下着と同じようなものを、赤ちゃんにもはいてもらいたいと思っています。そのためには、もっと薄くてやわらかい吸収体で、もっと肌にやさしくこすれない素材が必要になります」と、さらなる改良へと意欲をみせる。