ブログに「飲んで寝ると翌日、楽になる」
7月1日にリニューアル発売した「ハイチオールCプラス」
同社はL-システイン製剤「ハイチオールC」シリーズを1972年から発売している。当時は男性の利用者も多かったという。
「二日酔い対策、全身倦怠(疲れ・だるさ)の対策に愛用されていたようです」と、エスエス製薬「ハイチオール」のブランドマネージャー・田代園さんはいう。
そもそもL-システインは肌や全身の代謝のほかに、肝臓で有害物を解毒するなど、多角的な効果が期待されている医薬成分だ。後に、愛用者から注目を浴びたのは「肌」への効果だった。
「90年代の美白ブームの影響もあり、女性の利用者が一気に増えたようです」と田代さん。エスエス製薬の医薬品も「シミ、飲んで治そう、ハイチオールC」のキャッチコピーで有名だ。
いくつかある効果から「シミへの効果」が有名になり、美白成分として定着した感のあるL-システイン。ところが田代さんは「いままた、「疲れ」に対する働きが女性から注目されているんです」と、成分の価値が変化していることを指摘する。
近年、同社は約9万人の女性に、健康・美容に関する悩みを聞くという調査を行った。もっとも多かったのは「シミ」(48.6%)だったが、「疲れ」も36.6%と上位に食い込んだ。また、「ハイチオールC」のユーザーにも服用目的を尋ねところ、「シミ・そばかすを防ぐ」(81.5%)などが上位だったが、3人に1人が「疲れ・倦怠感の回復」(32.2%)を挙げた。
医薬成分の本質は変化しないが、それに求める価値は社会背景やニーズ、服用したひとの実感で変わる。L-システインはその一例であるようだ。
現在見られる個人のブログなどにも、「ハイチオールCを飲んで寝ると翌日、体が楽になる」といった女性からの書きこみが見られる。いまは美容とともに、「疲れ」や「だるさ」が女性の悩みに挙げられるようだ。
この夏、リニューアルされた「ハイチオールCプラス」が2010年7月1日に発売された。田代さんは、「最近、疲れている女性が多いと聞きます。毎日忙しく仕事や家事などを頑張っているすべての女性に試していただきたい」と語っている。