フォレスト出版は2010年6月、新刊本『アブストラクト化する世界経済』(著・菅下清廣)を発売した。
「リーマン・ショックがなぜ起こったか分かるかい? 世の中がアブストラクトな時代に突入していることを証明しているのさ!」――経済評論家で国際金融コンサルタントでもある菅下さんは、国際金融公社(IFC)の日本次席代表を務めていたアーネスト・ケッパー氏からこんな話をされたのが動機となり同書を執筆したのだという。
「アブストラクト」とは、「抽象的な」との意味で、価値のありそうなものが価値を失ったり、価値のなさそうなものが価値をもったりする状況を語る際に用いられる。その「アブストラクト化」が進行しているのがまさに今の経済であり、この変化を知らないと自分の資産が守れないと著者は説く。
今は単なるデフレではないと思っている人、相続をどうすればいいか悩んでいる人、いまやっているビジネスの将来が不安だという人などには参考になる点が多い。
単行本(ソフトカバー)、241ページ。定価1575円。