産経新聞出版は、ユニークな新刊本『歴史ドラマの大ウソ』を、2010年6月18日に発売した。SANKEI WXPRESSの連載「時代劇の嘘を斬る」に加筆・修正したもので、著者は、『知って合点 江戸ことば』(文春新書)、『戦後史開封(全3巻)』(共著、産経新聞社)ほかの著書がある産経新聞社編集委員・大野敏明氏。
歴史ドラマには、言葉や風習、服装など、現代的にアレンジした部分があるものだが、同書は史実に詳しい大野氏がNHK大河ドラマから、民放でおなじみの時代劇、そして世界的に知られる映画まで、歴史ドラマの「ウソ」に突っ込んでおり、楽しく読みながら歴史を学べる。
例を挙げると、「龍馬伝」の坂本龍馬の髪型は総髪だが、脱藩前の土佐藩時代や江戸藩邸時代も総髪だったとは考えにくい――江戸時代の各藩藩士は原則として月代(さかやき)をそり、髷を結って月代にのせていたはず。また、江戸時代には、奉行所などの官公署には表札ならぬ門札はなく、「大岡越前」などで見られる「江戸南町奉行所」といった門札はなかった。
ほかにも「水戸黄門」「篤姫」「武士の一分」「硫黄島からの手紙「坂の上の雲」「ALWAYS三丁目の夕日」ほか、多数の歴史ドラマにおける「史実誤認」を指摘している。
四六判並製、208ページ。定価1365円。