【Paris発】老後の生活防衛に秘策 「ビアジェ」って何だ?

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   物価上昇、医療費や保険料の値上げ・・、年金生活者の不安が増すばかりの昨今、フランスでは、高齢者が不動産を死後に引き渡す条件で売却するシステム"ビアジェ(viager)"の活用が盛んになっている。

不動産の買い手が、毎月の生活費を保障

生活不安を訴える、年金生活者たちのデモ=(C)DDM LADEPECHE@fr
生活不安を訴える、年金生活者たちのデモ=(C)DDM LADEPECHE@fr

   不動産広告を眺めていて、「何でこんなに安いの?」と思うと、たいてい"ビアジェ"と記されている。これは、高齢者が居住中の持家を死後に引き渡すことを条件に売却する、個人間の不動産売買システムで、価格として表示されているのは、契約時の一時金で、その後、売り手は、亡くなるまで毎月、生活費となる一定の金額を受け取れるしくみだ。

   例えば、ビアジェの広告文は、『パリの1DKのアパルトマン 一時金6万ユーロ、毎月800ユーロ 85歳女性 (アパルトマンの市場価格20万ユーロ)』といった具合だ。庭付き一戸建ての家なら一時金も高く、月の受取額が2000ユーロ以上だったり、ワンルームのアパルトマンなら月額が300ユーロ程度だったり、と売り手は家を手放すことなく、その資産価値に見合った一時金及び、毎月の受取額を決めることができる。つまり、持家を担保にした終身年金とも呼べるもので、その契約は公証人を通して行われる。


【プロフィル】
江草由香(えぐさ ゆか)
フリー・編集ライター。96年からパリ在住。ライターとして日本のメディアに寄稿しながら、パリ発日本語フリーペーパー『ビズ』http://www.bisoupfj.comの編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。趣味は映画観賞。

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