インプレスジャパンは2010年5月21日、『電子書籍元年 iPad&キンドルで本と出版業界は激変するか?』を発売した。
著者の田代真人氏は、朝日新聞社を経て学研、ダイヤモンド社などで雑誌編集者やウェブマスターなどを歴任。10年3月には池田信夫氏、西和彦氏らとともに電子書籍専門出版社「アゴラブックス」を設立している。
iPadの発売を機に、電子書籍によって出版界に大変革が起きると話題になっている。しかし田代氏は、電子書籍出版の現場から、変わるものと変わらないものを冷静に検討し、「出版社や編集者は不要」「取次会社と書店は絶滅」「印税70%」などの極論は必ずしも現実的ではないと説く。
そのうえで、電子書籍の課題である収益構造の確立やプロモーションのしかた、既存出版社の戦略などについて、取るべき道を示す。地に足を着けて電子書籍に関わりたい人にとって必読の書だ。