世界文化遺産に登録されている醍醐寺(京都・伏見区)では2010年8月31日まで、ふだんは金堂に設置されている重要文化財「薬師三尊像」の特別公開を霊宝館にある仏像棟で行っている。金堂で参拝するのに比べ、より間近で見ることができる。
薬師如来の脇を月光・日光菩薩がかまえる「薬師三尊像」(鎌倉時代)は10年5月14日、80年ぶりの修理を終え、表面のくすみが取れた姿で同寺に戻ってきたばかり。気品と荘厳さを兼ね備えた薬師如来は、あらゆる病を癒し、寿命を延ばす現世利益の仏として飛鳥時代から信仰されている。また、仏像棟ではほかに、国宝の掛け軸「閻魔天像」をはじめ、「如意輪観音像」や「大日如来像」「不動明王像」といった通常は公開していない仏像も安置し、合計22点の寺宝を展示する。
開館時間は9:00~16:30(17:00閉門)。拝観料は大人600円/中高生300円/小学生以下は無料。醍醐寺といえば「醍醐の花見」でも知られており、敷地面積200万坪(阪神甲子園球場約76個分)の境内は、緑に包まれた癒しスポットとしても人気がある。