社会批評社(東京・中野区)は、日米安保や沖縄の基地問題を詳解した新刊本『日米安保 再編と沖縄―最新沖縄・安保・自衛隊情報』を2010年4月に発売した。
著者は、戦後初の自衛官の政治裁判(1981年に無罪確定)でも注目され、『中核派vs反戦自衛官』(社会批評社)、『マルクス主義軍事論入門』(新泉社)ほか多くの著作がある軍事評論家・小西誠氏だ。
恫喝? 元米国防副次官
同氏は、この書のまえがきでこう記している。
「・・・『普天間閉鎖―沖縄海兵隊撤退―佐世保・岩国の海兵隊撤退』という、『平和への連鎖』であり、このような流れとなる運動だ。つまり、アメリカ海兵隊の、沖縄・日本からの完全かつ全面的な撤退である」――と。
これは、2010年3月4日付の朝日新聞インタビュー記事に掲載された元米国防副次官リチャード・ローレンス氏の言葉に対してのもの。米軍普天間飛行場移設をめぐる「辺野古沿岸建設合意案」にアメリカ政府代表として関わったローレンス氏は、鳩山政権が現行合意案(辺野古沿岸)以外を提示してきた場合の対応として、「海兵隊は普天間に居座るしかない」と答え、「普天間がこのまま継続使用になっても長続きはせず、海兵隊は普天間から撤退しなければならない。もし撤退となればヘリ部隊にとどまらず、同じく沖縄県内に駐留している歩兵部隊、さらには佐世保を母港とする海軍の強襲揚陸艦、岩国飛行場に駐留する戦闘攻撃隊にも広がる可能性がある」と、恫喝まがいに語っている。