指先のタッチひとつで音色が変わる
演奏は、現在フェリス女学院大学の音楽学部演奏学科・宮本とも子教授。1974年以来、現代製作家になる手造りオルガンや、ヨーロッパの数百年を経た古楽器で演奏活動を行なってきた古楽器演奏のスペシャリスト。米国ミシガン州在住の楽器製作家・K.ヒルとの30年におよぶ交流を通して日本にクラヴィコードを広く紹介されてもきた。その宮本教授が09年の秋に収録した音源。
正直初めて聴く音色なのだが、惹きこまれる。華奢な印象も受けるが、指先のタッチひとつで変化するような繊細な音色が逆に魅力的だ。なにか、音楽の歴史の1コマを聴いているという身の引き締まる印象もある。
加藤 晋
【クラヴィコードの世界 ~秘められた音楽領域を探る~ 収録曲】
*フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
ソナタ ト長調
1. アレグロ
2. メヌエット/トリオ
3. アダージョ
4. フィナーレ:アレグロ・モルト
ソナタ ハ長調
5. アンダンテ・コン・エスプレショーネ
6. ロンド:プレスト
*カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
7. クラヴィコードに別れを告げるロンド
ソナタ ハ長調
8. アレグロ
9. アンダンテ・ウン・ポコ
10.アレグロ・ディ・モルト