「Matsui」、「マツイ」! ギネス記録挑戦に観客も大興奮

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   「マツイのブランケットをきて、ギネス挑戦!」――そんな内容のニュースを日本のニュースサイトで見つけて、「いつのまにか、こんなことになったのだ!」と思わず笑ってしまったのが3週間ほど前。

   最近はエンジェルスの試合を見に行くときは、ニューヨーク・ヤンキースやボストン・レッドソックス相手のカードか、あるいは何かグッズがもらえるときになってしまっています。

どこを見ても日本人ばかり・・・

真っ赤に染まったスタジアム。後ろあきにきるのがアメリカ流
真っ赤に染まったスタジアム。後ろあきにきるのがアメリカ流


ギネス達成
ギネス達成

   これまでもらったグッズはアイスクーラーやニット帽等々。それが4月6日のミネソタ・ツインズ戦では松井のブランケットがもらえるということで、けっこう早めにチケットをおさえていたのです。ブランキーなんて普通にかったら20ドルはしますから、これがタダでもらえるとなるとお得感抜群。しかも全員に配布。

   「この試合、松井を見て、ブランケットももらえて、おいしいよー」と友人たちにいっていたらなんと「ギネス狙い」のイベントになっていることを知ったのです。周りもこの日に試合観戦をする人だらけ。知っているだけでも50人はいくことなっていました。

   当日、会場に入る前に横のブースでラジオのDJがこのブランケットを試着してみせていたのですが、一言「これ、ホスピタル・ガウン(病院できるガウン)みたい」。

   言われてみればそうかも……。

   それにしてもまず日本人が多いことにびっくり。そしてスタジアムの通路を歩くと、でかでかと松井のポスターが貼ってあり、その前で写真をとる日本人も多い。我々も負けじと撮ってみる。日本のメディアも見かけました。そして席についてスタジアムを見回すと、日本企業の広告も前より目につく。「球団の広告営業、楽になったんじゃないの?」とついつい余計なことを考えてしまいました。

   さて高橋尚子さんの始球式に始まった試合は、前日とはうってかわってつまらない試合。エンジェルスのエースは相手の主砲にいきなりホームランを打たれ、なんだか嫌なムード。おまけに「イヤに静かだなあー」とおもっていたら、どうも。スタジアムの音声が故障したようで、選手のコールもなければ、バッターボックスに入るときのBGMも聞こえてこない。電光掲示板に「5回にみんなでフリースのブランケット(略称、ブランキー)を着て、ギネス記録を狙おう!」と出るものの、このまま故障が続いたら、ちゃんと仕切れるのかどうか大丈夫なのと余計な心配をしてしまいました。

1年契約・松井でもうけるエ軍の「商魂」

130ドルのウェアにこのカタカナの表記はどう?
130ドルのウェアにこのカタカナの表記はどう?

   その後も、試合はゆっくりとしたペースですすみ、なんとか5回までには音声故障も回復。そして5回になった途端に「さあ、みんなでブランケットをきて、ギネス記録を狙おう!」のかけ声とともに、それまで座っていた観客がブランケットを取り出し、立ち上がる。そして大興奮。スタジアムは真っ赤に染まり、ブランケットをきてない、スタジアムのあちこちにたつスタッフや売り子が目立っています。それにしてもこの真っ赤な光景。どこかの宗教か?、と思うぐらい異様な光景でもあります。

   すぐ隣ではスタッフの公認の元、ブランケットをきたファンが「5、4、3、2、1」のかけ声のもと、ウェーブを始めるのだがなかなか波に乗れずじまい。10回ほどやってやっとスタジアムを一周するウェーブができ、またまた大盛り上がり。みな試合観戦どころではない模様。ギネス認定の映像が出て、歓声があがると、やっとブランケットを脱いでいつもの野球観戦モードに戻りました。

   これほどもりあがるなんて、これは企画勝ちでしょう。

   ところで、チーム公式ショップも探索してみましたが、松井グッズウェアのみならず、すでにブロマイド(5.99ドル)まで売っていました。エンジェルスは1年契約の松井でどどれほど儲けるんでしょうね。ちょっと冷めた目でみてしまいました。<モノウォッチ

野村香奈

【プロフィル】
野村 香奈(のむら かな)
1970年鹿児島生まれ。上智大学卒業。「AERA」「週刊朝日」で主にエンターテインメントの編集を担当した後、2000年8月に結婚により渡米。ロサンゼルスの日系無料情報誌でライターも経験。趣味はドライブ、おいしいものを食べること、情報収集、そして、MLB(メジャーリーグ)観戦。LA TimesとPeopleを愛読。現在、ロサンゼルス近郊のニューポートビーチ市(Newport Beach)在住。

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