毎日コミュニケーションズが運営する20代の若手社会人向けサイト「COBS ONLINE」は2010年3月30日、「復活してほしいソフトドリンクランキング」を公表した。調査は10年2月23日~3月8日、男性会員215人と女性会員598人(いずれも20代)に聞いたものだ。
90年、2200万ケースを販売した「はちみつレモン」
男性篇では、5位が同率で日本コカ・コーラ「チェリーコーク」とダイドードリンコ「ミスティオ」(4%)、3位はキリンビバレッジ「きりり」(7%)、2位は日本コカ・コーラ「アクエリアスレモン」(15%)、そして1位はサントリー「はちみつレモン」(21%)だった。一方、女性篇では、5位「ミスティオ」(4%)、4位サントリー「ごめんね。」(5%)、3位「アクエリアスレモン」(6%)、2位「きりり」(12%)、栄えある1位は男性と同じく、「はちみつレモン」(31%)という結果になっている。
「はちみつレモン」は1986年に発売され、90年代にかけて大ヒットした商品だ。甘すぎず、酸っぱすぎることもない、さわやかな味わいで高い支持を受けた。サントリー広報では、累計販売数こそ把握していないが、最も売れた90年には2200万ケースを販売したという。1000万ケースでヒットと言われる業界だけに、その人気ぶりがうかがえようというものだ。
しかし、「はちみつレモン」は2000年を最後に販売が終了する。サントリー広報はその理由を「発売後14年で嗜好(しこう)の変化もあり、ひと区切りつけることになった」と説明している。その後、同社の清涼飲料水シリーズ「なっちゃん」のラインアップの1つとして、ロゴも踏襲された「はちみつレモン味」が売り出されるが、2003年にはこれも販売終了。それに代わる商品は今のところないが今後、「はちみつレモン」自体はもとより、「なっちゃん」のラインアップの1つとして復活する可能性については、「未定」ということだった。
安室奈美恵「Don't wanna cry」がCMソングに
復活が望まれているドリンクの数々。それらをとりわけ印象深くさせているのは、当時オンエアされていたテレビCMかもしれない。SNS「mixi」日記には、「ドリンクそのものも好きでしたけれど、CMとCM ソングも好きでした」など、この話題に500件近くの書き込みが寄せられている。
たとえば、「はちみつレモン」の場合、88年にはこんなCMが流れていた。――軽快なBGMの中、ゴルフ場にいる女性3人がクラブ片手にポーズをとると、「はーちみつレモン♪」というキャッチコピーが入るというもの。当時を知る40代会社員は「CMの記憶は曖昧だけど、このキャッチコピーはよく覚えているよ」と話す。
また、歌手の安室奈美恵さんが起用されたダイドーの炭酸飲料「ミスティオ」のCM(96年)は、彼女が歌う同年のミリオンセラー「Don't wanna cry」が流れていたことでも覚えている人は多いだろう。「飲んでミスティオ」と言い放つ19歳の歌姫は元気いっぱいだった。
ほかに、サントリーの炭酸飲料「ごめんね。」では、女優の木内晶子さん、モデルの川原亜矢子さんらが99年のCMに出ていた。合唱コンクールを舞台にしたもので、木内さん、川原さんを含めた合唱団が、「ごめんね。」のPRポイントを歌にのせ、しかも商品名を連呼するユニークな演出だった。ちなみに、この曲をおさめたCDもその後発売されており、mixi日記には、当時は携帯電話の着メロにしていたと書く人もいる。
ドリンクに限るものではないが、「復活を望む」商品とそのCMには、想像以上に何か深い関係があるようだ。<モノウォッチ>
ミヤモト・コジロヲ