「カップ焼そば」と聞くと、平たいお皿のような容器を頭に浮かべる人が多いかもしれないが、そんなイメージをくつがえす商品が2010年3月15日に発売された。その名も「JANJAN(ジャンジャン)」。スマートな「タテ型」のパッケージは店頭でも「おっ」と目を引く。今回は、「JANJAN」開発秘話をエースコックのマーケティング部・松山幸裕さんと松﨑之則さんに聞いた。
即席めん食用率低下 「なんとかしなければ」
――開発に至った経緯は
松山さん 男女ともに、若年層において即席めんの食用率が下がっており、1998年と現在を比較すると、特に10代の女性は約10%も減少している。カップ焼そばも例外ではない。顧客層や利用数は数年変わっておらず、これを「なんとかしなければ」という意見が社内でも大きくなっていた。
――確かに、大皿の「カップ焼そば」は「男性がガッツリ」というイメージだ
松﨑さん それは「焼そばらしさ」でもある。ただ、同時に「容器が大きく持ちにくい」「どうしても犬食いになってしまう」といった声があるのも事実。支持をいただいている30代以上の男女にしても、利用は「休日の昼食」が多い。いずれにせよ、女性が外で気軽に食べられないのは、改善すべき点だと思った。
――そこで「タテ型」に
松山さん 実は、エースコックは1974年に、「カップ焼そばバンバン」という商品を、業界で初めての「タテ型」カップ焼きそばとして発売している。その後、皿型の容器が一般的になったが、もう一度「原点」に戻ろう、と。スタイリッシュなビジュアルにし、オフィスで女性が食べていても違和感がないような形状を考えた。湯切りのしやすさ、食べやすさも十分考慮し、開発に2年かけている。