スーパーの棚にもビーガンコーナーが
これほどまでに料理の味が向上した理由の一つは、材料の選択肢。最近では、NYのどこのスーパーでも見かける豆腐も、柔らかいシルキー、アメリカ人の好きな硬めのファーム、エキストラファーム、そしてスーパーファームまでそろい、ソースやドレッシング、ムースが作れるピュレ豆腐や、ダイエットブログから火がついた、豆腐白滝もパスタの代用品として発売中。ゴムみたいな味気ないチーズしかないと思っていたのに、ナッツミルクから作るおいしいチーズもあるのです。このほか、勉強熱心なシェフは、最近流行の分子料理法で使用されるとろみをつけるキサンタンガムや、エッグリプレーサー(卵の代用品)ではかなえられなかった空気を含む卵白と同じ働きをする大豆蛋白のヴァーサウィップなども使っています。
デザートにいただいたカノーラオイルを使ったしっとりふんわりしたケーキ生地に、豆腐を使ったクリームをたっぷり乗せたチョコレートケーキは、言われなければ、卵もクリームも使っていないものとは気がつきませんでした。
最近のニューヨーカー、菜食主義でなくても、健康のためにベジタリアン用の食材を楽しむ人が増えてきています。普通のスーパーの棚にもビーガンと明記された食品が並ぶなど、この健康志向マーケットの動向に注意です。<モノウォッチ>
坂本真理