地域の事情で済ましていいのか AEDとCPR「日米の浸透差」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

毎分100回の速度で100回マッサージ

これがAED
これがAED

   例えば、ワシントン州シアトル市。世界一の救命都市といわれているこの街の全市民の6割の人がCPR講習を受講したことがあるために、そういう場に遭遇したとき、直ちにCPRを施せる確率が高くなります。

   私が受けた講習会では実際にDVDを見ながら、講師からの指導をうけ、実際にマネキンやCPR用のマスクを使ってチェストコンプレッション(心臓マッサージ)や人工呼吸の練習をしました。

   気道を確保して、空気を送り込み、1分間に100回のスピードで心臓マッサージを30回するという一連の流れは簡単なようでなかなか難しい。「ここでもたつくと、脳に空気が送り込まれません」と指導され、繰り返しているうちにやっとペースをつかんできました。そうはいってもこれを実際の現場で的確に行えるか、しかもAEDがくるとか患者が動き出すまで続けなければならないとなると相当の体力と根気が必要です。

   学んだことは、一般市民用のやり方であって、看護士や救急隊員といった救命現場で働くプロが施すものとは違いますが、アメリカ心臓協会によって「ハートセーバーCPR&AED」とよばれるきちんとしたプログラムです。

   CPRからの動きを引き継ぐAEDはスイッチをいれるだけで、次に何をすべきか案内されるのでそれに従って操作すればいいという簡単なものです。これまでAEDがどこに設置されているかなど気にもとめていなかったのですが、よくみてみると、大型ショッピングモールや空港などでAEDが設置されているのを目にします。

【プロフィル】
野村 香奈(のむら かな)
1970年鹿児島生まれ。上智大学卒業。「AERA」「週刊朝日」で主にエンターテインメントの編集を担当した後、2000年8月に結婚により渡米。ロサンゼルスの日系無料情報誌でライターも経験。趣味はドライブ、おいしいものを食べること、情報収集、そして、MLB(メジャーリーグ)観戦。LA TimesとPeopleを愛読。現在、ロサンゼルス近郊のニューポートビーチ市(Newport Beach)在住。

姉妹サイト