聴こえてくるのは魂の音・・・  C・ランディ独占インタビュー

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カーメン・ランディ
『ソラメンテ』
OMCZ-1034
2625円
1月20日発売
オーマガトキ


   カサンドラ・ウィルソン、ダイアン・リーヴスと並び称される女性JAZZ VOCALIST=カーメン・ランディ。『ポスト・エラ(・フィッツジェラルド)』、『ポスト・サラ(・ヴォ-ン)』と呼ばれた時期もあったが、卓越したスピリチュアルな歌唱はカーメンだけのもの。他の誰にも真似は出来ない。

『ソラメンテ』ではすべての楽器を1人で演奏・録音

多才を絵に描いたようなカーメン・ランディ
多才を絵に描いたようなカーメン・ランディ

   10代でジャズ・ミュージシャンとしての活動を開始、1985年には1stアルバムを発表。マーカス・ミラー、ロン・カーター等数多くの有名ミュージシャンと共演。作曲家、女優、画家としても活動、「They Were All Gardenias」では主人公ビリー・ホリデイ役を演じ、「Sophisticated Ladies」にも出演した。近作『ソラメンテ』ではすべての楽器を一人で演奏・録音している! ジャケットも描いている!!

   インタビュー前夜、丸の内コットン・クラブでのステージを観て聴いた。

「光栄なことに、一緒に演ってるミュージシャンはみんな熱い人たちで、盛り上がっていたし、会場の音も、ピアノの音も素晴らしくて…。それだけでテンションも上がるのに、実際に演奏を始めたらお客さんの反応も素晴らしくて、こちらもインスパイアーされてしまったわ」

   言葉どおりに素晴らしい、観客をすべて包み込んで放さないようなステージだった。カーメンのこうした本格的な来日ステージは初めてのもの。

「10年前に初めて日本に来て、もう5~6回は来ていてゲスト参加でのステージは経験あるけれど、ソロでバンド編成の来日は初めて! とてもエキサイティングな経験ね」

   カーメンがデビューしたのは、筆者が音楽の仕事から離れていた時期。デビュー盤「Good Morning Kiss」を聴いた時は、なんと歌の上手い人なんだと思った記憶がある。間は開いたが、今作を聴いてありきたりではない衝撃を受けた。まず、すべてがたった1人の手作りで作られたアルバムという点に驚かされた。

「結果的にはやって良かったと思うけれど、自分ですべて演ろうということから始まったわけじゃないの。次のアルバムのためのデモテープとして作ったの。ただね、この音源制作とは別の機会に、このCDに収めた曲をミュージシャンと一緒に演ったことがあるの。自分が作った音源とまったくフィーリングが違うの。もちろん上手いんだけれど、1人で作ったものに備わっている親密感とは別のものだった。だから、本当に1人で録ってよかったと思っているわ。感触として正しいアルバムになったと思う。実は昔から一人で作ったらどうなるだろうという思いはあったの。今回作らなかったらずっとこの思いは続いていたと思うわ(笑)。決着がついてよかったわ!」

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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