草食男子時代にカツ入れる? 「オヤジアイドル」ブームの兆し

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音楽・酒・たばこ・グラサンがオヤジアイドルの必須アイテム?

レイバンのグラサンと葉巻がトレードマークのジャック・デュトロン

レイバンのグラサンと葉巻がトレードマークのジャック・デュトロン
伝記映画が公開中、元祖ちょい悪オヤジのゲンズブール (C)Universal Pictures International France
伝記映画が公開中、元祖ちょい悪オヤジのゲンズブール (C)Universal Pictures International France

   さて、そのジョニーと同じ、1943年生まれのロック歌手ジャック・デュトロンが、この1月に17年ぶりにライブ活動を再開。パリの5日間連続ライブはチケットがすぐにソールド・アウトになった。60~70年代にフレンチ・ロック界のスターとして輝いていたが、徐々に活動の場を映画界へと移し、92年にセザール主演男優賞を取るなど、映画俳優としての活躍が目立っていた。それが、往年のトレードマークだったレイバンのグラサンに銜え葉巻で、再びステージに立ち、そのちょい悪オヤジぶりがオールドファンのみならず、若い客にも受けたという。

   デュトロンと親交のあった、セルジュ・ゲンズブールは、ちょい悪オヤジの元祖ともいえる存在。91年にオヤジ盛りの63歳で亡くなってしまったが、その伝記映画が先週からフランスで公開され、話題になっている。音楽と酒とタバコと女をこよなく愛したゲンズブール。この作品でも、グラサンをかけ、フランス製たばこジタンの煙をくゆらせ、しょっちゅう酔っ払っている。また、ジュリエット・グレコ、フランス・ギャル、ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキン等々を相手にした華やかな女性遍歴、スキャンダルが描かれていて、これは「ちょい悪」どころじゃないかも・・・。

   大人文化の国フランスで、オヤジが活躍し、人気を博すのは不思議ではない。しかし、ロック、たばこ、酒、女大好きの濃厚なオヤジアイドルが妙にもてはやさるのは、レストランやカフェ店内での喫煙が禁止され、飲酒運転の取り締まりが厳しくなり、日本同様、草食系男子が増えつつある現代への危惧感の表れ、って気がしないでもないが。

江草由香


【プロフィル】
江草由香(えぐさ ゆか)
フリー・編集ライター。96年からパリ在住。ライターとして日本のメディアに寄稿しながら、パリ発日本語フリーペーパー『ビズ』http://www.bisoupfj.comの編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。趣味は映画観賞。

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