クリスマスからニューイヤーにかけてのホリディシーズンに、ニューヨークを訪れたなら、絶対に見て欲しいのが各デパートのショーウィンドー。世界一ゴージャスで、ホリディ気分いっぱいの空間が広がります
ウィンドーの前でいかに足を止めてくれるかが勝負
おすすめのウィンドーは、5番街と57丁目という最高の場所に立地するバーグドーフ・グッドマン。黒塗りの運転手付きの車からグレーヘアをきれいにセットした小さなおばあさんが降りてきて、ここに買い物に入るのを見たこともある高級デパート。
副社長で、デザイン部門を統括するリンダ・ファーゴさんは「ニューヨークは、車社会ではなく、歩く都市なので、ショーウィンドーがこれほど重要視されるのだと思います。お客さんが、ウィンドーの前で、足を止めてくれるか否かが一番重要なところです」とも。ここのウィンドーの豪華さと完成度では、圧倒的に他店を引き離しており、あまりのゴージャスさと精巧さに、本当に動けなくなります。いったいいくら予算を割いているのでしょう。
幸せなメッセージで溢れるNYの冬
バーグドーフから歩いてすぐのマディソン街61丁目に面するバーニーズNYのウィンドーも、1年をかけて製作される大掛かりなもの。
デザイナーのサイモン・ドーナンは、前オーナーから「ニューヨークのゴシップの種になるようなウィンドーを作れ!」というリクエストを受けたそう。時勢に敏感で、少しアバンギャルドなスタイルが特徴。
06年は、アンディ・ウォーホールがテーマ。ウォーホールラベルのキャンベルスープも店頭で売り出されました。07年はグリーンホリディ、08年ピースサイン発表の50周年記念を題材にヒッピーと平和。
そして、今年は、NBCの人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」の35周年を記念して、コーンヘッドからサラ・ペイリンの物まねのティナ・フェイまで、歴代の人気キャラクターを再現したもの。
5番街にあるロックフェラーセンターの有名なクリスマスツリーのお向かいにあるのは、サックス・フィフスアベニュー。04年から雪をテーマにした絵本をもとにウィンドー内に物語を展開させています。今年は、「Twinkle, Twinkle Little Flake」雪の結晶が主役。
ウィンドーの脇に書かれたセンテンス「Wherever you wind up. That's where you were meant to be どこに降り立っても、そこが、あなたのいるべき場所」
子供用の物語なのに、なんだかその文章に考えさせられたり。
ここは、場所柄、鑑賞用のベルベットのロープが、ウィンドー前に張られるほどの超人気スポットです。
映画「34丁目の奇跡」の舞台にもなったメイシーズでは、その物語の場面を再現したウィンドーが、毎年、34丁目側に登場します。
ローキーなデパートのロード&テイラーは、古きよき時代のアメリカを描いたシーンが、一面一面に展開します。これぞホリディウィンドーという定番で、個人的に結構お気に入り。
痛いほど寒くなるニューヨークの冬だけれど、帽子に手袋と、防寒をしっかりして歩いてみてください。ホリディシーズンは街中が楽しいハッピーなメッセージであふれています。
坂本真理