バカ売れ『離婚男の料理』  腕磨いて何をゲットする?

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離婚後も幸せに過ごすための料理

現在、フランスで上映中、諏訪敦彦とイポリット・ジラルドが共同監督した『ユキとニナ』も子どものいる夫婦の離婚を取り上げた作品 (C)Ad Vitam
現在、フランスで上映中、諏訪敦彦とイポリット・ジラルドが共同監督した『ユキとニナ』も子どものいる夫婦の離婚を取り上げた作品 (C)Ad Vitam

   そして第四章のタイトルは"家に友人たちを招く"。ホーム・パーティのホスト役の鉄則は客を放っておかないこと。夫婦で人を招く場合には、妻が前菜の準備をしている間に、夫が客にアペリティフをすすめ、夫がメインの肉を焼いている時に妻が客の話し相手をしたりと、うまく役割分担をしながらパーティをすすめる。ところが、離婚男はこの二役を一人でこなさなければならないので、パーティのメニューは前菜もデザートも前もって用意しておけるものに限られる。メインも客が来る前に下ごしらえを全て終え、後はオーブンのスイッチを入れればいいだけ、というようなシンプルで、なおかつ気のきいた料理が紹介されている。フランスはカップル社会であるが、独り身になったからといって、友人たちとの付き合いを控える必要はない。積極的に人を招待すれば、そこから新しい出会いも生まれるというものだ。

   それが最終章の「二人きりの食事」につながる。フランス人は離婚したからと言って、二度と誰かと一緒に住むのはまっぴらだ、なんて思ったりしない。ここでは、新しい彼女を家に招待するための、凝った料理、しゃれたデザートのレシピが紹介されている。

   この本、離婚したばかりの男性に「早く次の幸せをつかんでね」と一言添えて、プレゼントすれば喜ばれるに違いない。自分の夫へ三行半代わりに渡す妻もいたりして。

江草由香


【プロフィル】
江草由香(えぐさ ゆか)
フリー・編集ライター。96年からパリ在住。ライターとして日本のメディアに寄稿しながら、パリ発日本語フリーペーパー『ビズ』http://www.bisoupfj.comの編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。趣味は映画観賞。

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