北欧の介護現場で活躍する「デジタルペン」 待ち望まれる日本での導入

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   デザインや教育、福祉などが注目されがちな北欧だが、実はIT先進国。国際電気通信連合が2009年に発表した「IT発展度」の調査報告書でも、1位のスウェーデンを筆頭にデンマーク、ノルウェー、フィンランドなどが上位に入っている。そんな北欧で発明され、活用が進む「アノト方式デジタルペン」が、日本の介護現場にも導入されているという。

   「アノト方式デジタルペン」は、見た目こそ太めのボールペンだが、その内部に大きな「武器」が隠されている。それはペン先に仕込まれた小型カメラだ。小さなドットパターンが印刷された専用紙に書かれたものを、このカメラが感知。筆跡、書き順、スピード、筆圧、時刻などを自動で瞬時に処理、記憶し、デジタルデータに変換してしまう。

3回の手間を「自動」で

効率化に「一役」買うか
効率化に「一役」買うか

   北欧では約3年前からこのデジタルペンを訪問介護業務に導入している。結果、手書きで行っていたヘルパーのデータ入力やレポート作成の業務が軽減された。今では30以上の自治体で約3000本のデジタルペンが業務に使用され、その様子は動画サイトYouTube(http://www.youtube.com/watch?v=FT1BMQthUBg)でも見ることができる。

   介護職員の待遇問題に悩む日本でも、デジタルペンの導入で改善を図ろうという動きが見え始めた。東京・足立区の特別養護老人ホーム「グリーンハイム荒川」では、08年7月にデジタルペンを導入するまで、血圧・脈拍などを「バイタル記録表」に記入し、それを家庭への「連絡ノート」に転記。さらにパソコンに再入力していたため、3回の手間がかかっていたそうだが、導入後はリアルタイムで記録されたデータをパソコンに転送するだけになった。自動で利用者別の帳票に情報が振り分けられるので、効率よく詳細情報を利用者側に伝えられるようになったのは大きな改善といっていいだろう。

   「ペン」で「紙」に書く…そんなごく普通のスタイルでありながら、作業量を軽減してくれる「アノト方式デジタルペン」。職員にも「作業が楽になり余裕ができた」と好評で、普及を願う介護関係者は多い。

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