花束を持って「かいじゅうたちのいるところ」記者会見に登場した永作博美
モーリス・センダック原作の世界的に有名な絵本「かいじゅうたちのいるところ」を実写化した同名映画の日本公開を前に、監督のスパイク・ジョーンズと主演のマックス・レコーズ、プロデューサーのビンセント・ランディーが来日し、2009年12月14日、東京・六本木で記者会見を開いた。
「僕がこの作品に登場したのはまだ9歳のころ。いまは12歳です」と挨拶した主人公で子役のマックスは、1000人の中からオーデションで選ばれ、くしくも役名とファーストネームが一緒のラッキーボーイ。
スパイク・ジョーンズ監督は、「(主人公の少年は)内向的な部分とワイルドな部分を兼ね備えたキャラクターなので、幅広い演技力を必要とした。単なる子役では無いということはチャレンジだった。彼の肩にこの映画がかかっている」と話す。
監督の印象について問われたマックスは、「厳しいということは無いです。2番目のお父さんか、あるいは年に2回くらいしか会わないクレイジーなおじさん?」と笑いを誘い、「仕事をやっているという感じがしないくらい勝手に好きなことをやりながらで楽しんでいる雰囲気だった」と答え、アカデミー監督候補の「マルコヴィッチの穴」や「アダプテーション」などを手がけた鬼才をやりこめた。
それを裏付けるようにジョーンズ監督は、「怪獣たちとの撮影は非常に大変な事でした。とにかく300ポンド(136キロ)もある動物ですから、私たちの言う通りに動いてくれないこともあります。危険なことも多々あり、食べようとしますし、機嫌の悪いときは噛んだりします」と言って自分の指を隠し、食べられたふりをしておどけて見せた。
プロデューサーにも名を連ねている原作者のモーリス・センダックについては、「インスピレーションを沢山あたえてくれる恩師のような人物。最初に言ってくれたのは、私のバージョンはできあがっているので今度は君のバージョンで作ってくれと励まされました」と語った。
その後、同作の日本語吹き替え版に声優として出演した女優の永作博美が登場し、花束贈呈。
「もともとの作品を知っていて、すごく楽しみにして見ました。見たら3回泣いて、笑った数は数え切れない」と感想を述べた。演じた“KW”という女性の怪獣について、「絵本ではそこまで喋らないし、感情がいまいち分からないキャラクター」と話し、「それが声を出して感情を出して怪獣の表情をするのにはびっくりした」と劇中のリアルな着ぐるみに怪獣の表情だけCGでリアルに表現した映像技術を絶賛した。
そして、「初めて声の出演で難しかったですが、なるべく(イメージを)こわさないように(怪獣の)表情だけをたよりに演じました。童話だからやさしいと思うとびっくりするかも。皆さんにみてほしい」と語った。
映画「かいじゅうたちのいるところ」は2010年1月15日から丸の内ルーブル他で全国ロードショーされる。
「かいじゅうたちのいるところ」記者会見に出席した(左から)ビンセント・ランディー、永作博美、マックス・レコーズ、スパイク・ジョーンズ