フランスでは2010年1月から温暖化対策の一環として軽油、石炭、ガソリン、ガスに炭素税が課せられる。数年前からクリーン・エネルギーを利用する暖炉や薪ストーブの売上げが伸びているが、炭素税導入で、人気に拍車がかかるのか?
電気代が高く、電気暖房器具は不人気
導入される炭素税の税率はCO2排出量1トンあたり17ユーロで、冬の暖房用エネルギーとして主に利用されているガスは1リットルあたり0.4サンチーム(約0.5円)、軽油は1リットルあたり4.5サンチーム(約6円)と少額ではあるが、暖房費の値上がりにつながるのは確かだ。ちなみにフランスは原子力発電の国なので、CO2を排出しない原子力発電による電気に炭素税はかからない。ただ、元々、電気代が高いこともあり、電気暖房器具は不人気である。
一方で、エコ・エネルギー奨励のため、暖炉や薪ストーブ(熱効率の高いガラス戸付きのものに限定)の購入は、エコ減税の対象となり、購入費の40%が所得税から控除される。
我が家は3年前、パリ郊外に中古の一軒家を買い、リフォームに際し、このガラス戸付きの暖炉を設置した。フランスでは暖炉があると、家の資産価値も上がるのだ。
ところが、エコ減税の対象となったのは暖炉本体の金額のみで、設置工事代は入らないので、減税額は、総費用の20%程度に過ぎなかった。