薄いアメリカンコーヒーから、エスプレッソドリンクへ大方向転換中のニューヨークのコーヒー事情。このカフェ激戦区NYにオレゴンから参入して来た男が、デュエイン・ソレンソン。写真の真ん中に立つ、ちょっと太っちょでロン毛のおじさんは、実は、コーヒー界の「第3の波」を引き起こした男として有名だったのです。
第1波は19世紀
アメリカのコーヒー界における第1の波とは、19世紀に生まれたフォルジャーズ社のコーヒー豆が、全米の家庭の食卓に広まったこと。これがでっかいカップで何杯でものめるアメリカンコーヒーの始まりです。
そして、60年代に西海岸ではじまったエスプレッソ文化の誕生が、第2の波。サンフランシスコのピーツコーヒー。ここのコーヒーを飲んで感動した人が始めたスターバックスコーヒーが、その代表選手です。スターバックスのコーヒーについては、炭コーヒーだと言う人もいますが、カプチーノなんて聞いたことがなかったであろう田舎のガソリンスタンドにまでエスプレッソドリンクを広めた功績は、私はすごいと思うのです。
さてさて、第3の波とは、味への徹底したこだわりなのです。
良質のコーヒー豆の入手からはじまり、それを丁寧に焙煎し、熟練したバリスタの手で淹れる。
「これって今までなかったの?」と、言われそうですね。日本のコーヒー文化は世界のトップレベルですから、実は、私もそう思っていました。
でも、このソレンソンさんに会ってお話を聞いた時、第3の波の男と言われる理由がわかった気がしてきました。