不朽のミステリーが映画でよみがえる 「ゼロの焦点」全国公開へ

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(C)2009 「ゼロの焦点」製作委員会
(C)2009 「ゼロの焦点」製作委員会

   作家・松本清張の代表作「ゼロの焦点」が映画化され、2009年11月14日に全国の東宝系映画館で公開される。広末涼子さん、中谷美紀さん、木村多江さんの3女優が、物語の中心となる女性たちを演じる。監督は「眉山」で第31回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した犬童一心。

   同作品は、清張の生誕100年記念作品として制作された。結婚間もない鵜原憲一(西原秀俊)と禎子(広末)。憲一は、以前の勤務地である金沢に出張するが、そのまま帰ってこなかった。失踪した憲一の行方を探すため、禎子は金沢へ向かう。そこで、憲一が勤務する会社の得意先の社長夫人・室田佐知子(中谷)、佐知子の会社で受付嬢を務める田沼久子(木村)と出会った。一方で、同時期に発生した連続殺人事件の被害者全員が、憲一と関係のある人物だったことが判明。事件の真相と憲一の行方を追う中で、3人の女性の運命が複雑に絡み合っていく様子を描き出している。

   「週刊松本清張」(デアゴスティーニ・ジャパン発行)の編集長を務める詩人・文芸評論家の郷原宏さんは、犯罪の動機と社会的背景を重視した清張の「社会派推理小説」の中でも、「ゼロの焦点」は最も社会派らしいと評価する。また、能登金剛をはじめ北陸の風土や人間を鮮やかに描き出すことで、推理小説における舞台の重要性を改めて読者に印象づけたと話す。

   「ゼロの焦点」の映画化は、昭和36年以来2度目。本作中では、犬童監督が昭和30年代の風景を求めて日本全国を回り、また物語の雰囲気に合わせて、冬の北陸のどんよりとした曇り空や雪を狙って撮影するなど、随所で工夫が凝らされている。公開日の14日には、TOHOシネマズ日劇(東京)で舞台あいさつが行われる予定だ。

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