「冬の飲み物の定番」としてココアを挙げる人も多いだろう。そのココアについて、長年研究を続けてきた森永製菓が学会で興味深い発表を行い、話題になっている。
ココアには、まだ詳しく解明されていない成分も
「ココアはやっぱり…」のテレビCMでおなじみの森永製菓。実は10年以上、栄養面でどのような可能性があるのかといった、ココアの「機能性」の研究を行っている。例えば、いまでは成分として一般的になった「カカオポリフェノール」も、こうした研究によってさまざまな作用があることが分かっている。2005年から続けられているのは、インフルエンザウイルスの感染抑制の可能性についてだ。
05年には試験管内の実験においてココアが感染を阻害する効果があることを、また、07年にはマウスへのココア経口投与による実験において、インフルエンザウイルス感染マウスの死亡抑制効果を確認した。その後も研究を続け、09年10月25日から27日まで行われた「第57回・日本ウイルス学会学術集会」では、ココア分画成分を用いたマウスへの経口投与による実験においても、グラフのように統計的な有意差をもってインフルエンザウイルス感染防御効果が見られたことを発表している。
そんな「未知なる可能性」を秘めたココアには、血のめぐりを改善する効果や、常時飲用することで口腔内の雑菌や口臭成分を減少させる効果もみられるという。
もちろん、同社が行ってきている研究は、あくまでマウスを対象にしたものであり、ヒトへの影響・効果は未知数だが、近い将来にもインフルエンザウイルスの感染抑制効果が確認されるようであれば何よりだ。