「中山うり」というシンガーソングライターがいる。一風変わった名前もさることながら、ジャズやタンゴなどの要素を取り入れた楽曲、そしてなにより、アコーディオンで弾き語りをするという唯一無二のスタイルで、「アコーディオンを抱えたシンデレラ」と呼ばれることも。今回はそんな中山さんに、2009年9月に発売された新曲や、「愛機」との出会いについて話を聞いた。
「いい意味で一番ポップ」な新曲
――新曲『ワンダフル』ができた経緯について教えてください。
中山「昨年出したフルアルバム『ケセラ』である程度満足感はあったのですが、また一息ついて、新しく中山うりをリセットしようと思って気合い入れて作った第一作が『ワンダフル』です。その後にもたくさん書いたんですけど、これがいい意味で一番ポップでした」
――今まで、ファンタジックでシュールな歌詞が多かった中山さんですが、今回の「ワンダフル」では、長電話が楽しいとか、1人で映画を観て泣いたとか、ほのぼのとした日常を描いた内容になっています。心境の変化があったのですか?
中山「前のフルアルバム『ケセラ』のころから、ファンタジックな部分だけでなく、本音の部分を出していきたいなというのはありました。今回の『ワンダフル』では、なるべく、身近な小さな幸せをピックアップしてみました。聴いた人が自分のまわりの小さな幸せに気付くきっかけになったら嬉しいです。」