最近周りは出産ラッシュ。母となる人はだいたい私と同世代なのだが、第一子だったり、第二子だったり、第三子だったりといろいろ。
こちらでは第一子出産前にベビーシャワーと呼ばれる、誕生前パーティーが開かれます。主催者は親や友人等々、会場も自宅やレストラン、公園と様々ですが、共通しているのはギフトの買い方。
ベビザラスのようなベビー専門店やターゲットなどといった日用品大型店で、母となる女性がほしいものをかたっぱしから選び、ギフト・レジストリー(Gift Registry)というリストをつくります。ベビーシャワーに招待された人たちは選ばれたお店にいって、そこでギフト・レジストリーの端末にアクセスし、必要情報をいれると、母となる女性がほしがっているギフトを知ることができ、それと自分の予算を考えてギフトを購入するのです。購入の際にはレジで「ギフト・レシートを下さい」と付け加えるのを忘れてはいけません。ギフトにこれをつけることで、もらう人が気に入らなかった場合の商品返却および交換が容易になるからです。
私自身ベビーシャワーをしてもらうとき、このギフト・レジストリーをしましたが、ある先輩ママに言われたのが「とにかくほしいものは何でものせることよ。そのほうが買う方も選択肢があってありがたいから」。
そうはいっても、意外とほしいものはない。ベビーカーはすでに友人からもらっていたし、ゆりかごもおさがりの中古がある。ほ乳瓶は日本製がいいと薦められ、日本のブランドのものを買うことにしていました。おむつをかえるテーブルなんて別にいりません。
いくら返却が簡単とはいえ、「いらないものまで買ってもらうのはなあ」と躊躇していたら、別の日本人ママに「日本人は少ないものでもいろいろな用途につかいまわせる知恵があるから、何も無理に物を揃えることはないのよ。どうしてもほしくなったらあとで揃えればいい」と言われ、納得したのを覚えています。
「いくらあっても困らないのはおむつ」
ウェディングケーキのようなダイパーケーキ
動物のおもちゃの飾りがにぎやか。男の子にはピッタリだ
先日あった第一子出産を控えた友人のベビーシャワーでは、主催者が「みなでお金を出し合って彼女が欲しい物を買いましょう」と提案してくれたので、とても効率的。全員が日本人でまたお互い顔見知りでかつ少人数だったからできたことかもしれません。
そしてその後、第三子を生んだ友人にプレゼントを贈ろうという話になりました。すでに必要な物がそろっている第三子。「結局、いくらあっても困らないのはおむつだ」「大きいおむつも使い回せるから」ということになり、今より大きくなってからもつかえる大きめのサイズのおむつを買い、それでダイパー・ケーキなるおむつケーキをつくることにした。ちなみにダイパー(diaper)とは英語でおむつという意味。
作り方はおむつを一つ一つラッピングしてつくる方法もあれば、ラッピングせずにつくる方法も。おむつを一つ一つ丸めて輪ゴムで止め、それをひたすら並べて丸型ケーキのような形を作ります。丸型を大中小と3種類つくって、大きいものを土台に重ねていけば、ウェディングケーキのようにより見栄えのするダイパーケーキのできあがり。リボンやドライフラワーで飾り付けるだけで、とても豪華なダイパーケーキの完成です。
ダイパーケーキだけではものたりないので、添えたのがギフトカード。ダイパーケーキもギフトカードもなんとも現実的なギフト。不景気ならではの品なのか、「育児にはお金がかかる」と学んだ母たちの知恵によるものなのでしょうか?
別の友人が先日参加したベビーシャワーには、ダイパーケーキがレシービングブランケット(おくるみのようなもの)やおもちゃといったギフトで飾り付けしてあって、「とても素晴らしい」と感動していました。
こちらから日本へ帰国した友人によると、日本でもギフトとして浸透してきているらしいダイパーケーキ。「100円ショップに売っている材料をつかってできる」そうな。サイトを検索してみると、一見、高価なオーダーメード品のようなものが並んでいてびっくり。
参考写真さえあれば、自分たちでなんとかできるものです。費用は安くですみ、かつ喜ばれるギフト。ぜひぜひお試しあれ!
野村香奈