フランスでは、運転免許取得のための教習車がレンタルできる。日本でもこの春、メルセデス・ベンツがレンタル用にCクラスの教習仕様車両を作って話題になったが、貸出し対象はあくまでも教習所。フランスでは個人が、助手席にブレーキ、ギア、方向指示器のついた教習車を、レンタカーとして借りることができるのだ。
値段は教習料金の半分以下 一日レンタルも可能
教習車の貸出し条件であるが、運転者は教習所で実技教習を少なくとも20時間受けた経験があること。フランスには仮免許が存在せず、教習所の実技教習は1時間目から、いきなり路上である。つまり、レンタルは、路上ですでに20時間、教官指導の下で運転した経験がある人に限られるわけだ。もう一つの貸出し条件は、21歳以上の免許取得後3年以上経っている人が助手席に乗ること、である。
フランスでは、原則として、教習所で20時間の実技教習を受ければ、免許取得試験に臨めるが、試験合格までの平均教習時間は32時間だという。教習料金は1時間40ユーロほどかかるが、教習車のレンタル料は15ユーロ程度、と半分以下で済む。つまり、レンタル教習車を利用するのは、20時間の教習は受けたものの、試験に合格するだけの運転能力が身についていない人や、試験に落ちて、次の試験に臨む前に練習を積みたい人がほとんどなのだ。また、半日、一日単位のレンタルをすれば、料金も割安になるので、時間のある時に集中して練習すれば、時間もお金も効率的に使うことができるし、上達も早いに違いない。