「週刊誌は死なず」出版 元編集長・元木昌彦さん

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「トイレに籠もって、ときには1時間以上も、あれこれと悩んだものだ」と、元木さんの編集長時代の思い出話も盛り込まれている新書「週刊誌は死なず」。
「トイレに籠もって、ときには1時間以上も、あれこれと悩んだものだ」と、元木さんの編集長時代の思い出話も盛り込まれている新書「週刊誌は死なず」。

   「週刊現代」や「FRIDAY」、インターネットの「オーマイニュース日本版」などの編集長を歴任した元木昌彦さん(63)が、「週刊誌は死なず」(朝日新書、税別780円、261ページ)を出版した。2009年8月上旬から書店に並んでいる。

   雑誌・週刊誌を巡る状況は厳しい。名誉棄損訴訟で週刊誌側に高額賠償を命じる判決が相次いだり、広告・部数の減少が止まらなかったりしている。08年には「月刊現代」や「読売ウイークリー」など歴史がある雑誌の休刊が相次いだ。

   危機感をもった元木さんは、新聞やテレビが報じない情報をこれまで数多く伝えてきた週刊誌がなくなっていいのか、とさまざまな場で問題を提起している。09年5月には、各週刊誌の現・元編集長らに呼びかけ、週刊誌を巡るシンポジウムを東京都内で開いた。

   今回の新書には、このシンポの模様が約40ページにわたり紹介されている。また、週刊新潮による「朝日新聞襲撃犯告白」の大誤報(09年1~2月)の検証や、元外務事務官で作家の佐藤優さん(49)との対談も収録されている。

   元木さんは著書の中で、「恫喝的とも思える判決を次々に出している」司法の問題点を指摘しつつ、週刊誌が抱える「報道被害への対応の立ち遅れ」や「横並び」にも苦言を呈している。その上で、週刊誌ジャーナリズムが衰退することについて、「多様な言論がなくなり、結局は、自分たちの知る権利が狭められることを、いま一度、立ち止まって考えてもらいたいと、切に思う」と読者らに訴えている。

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