ここ数年、人気が低迷していた中国産ウナギの売れ行きが、2009年に入ってから回復してきたという。19日の「土用の丑の日」を前に、各スーパーは安全性をアピールするとともに、品数を増やすなど中国産ウナギ復活を歓迎している。人気復活には、消費者の中国産に対する不信感が薄れてきたことに加え、昨今の不況も影響しているようだ。
値段の安さには勝てない・・・
ウナギでも食べて元気出さなきゃ
中国産ウナギは、消費者にとってはお手ごろ感が何よりの魅力だ。国産のものと比べ半値程度で手に入る上、味にそれほど大きな違いがないからだ。
ただ、中国産ウナギについては、07年に発がん性のある抗菌剤が含まれていたとして米国が輸入を停止。さらに08年に中国製冷凍ギョーザの中毒事件が起こったことで、日本でも中国産に対する消費者の不信感はピークに達し、直接関係のなかったウナギまで店頭で見かけることが少なくなっていた。
それが09年に入り、多くのスーパーで「復活」してきている。首都圏でスーパー128店舗を運営する「いなげや」の広報担当者は、
「消費者にとってやはり値段の安さは魅力。今年は不況も影響してか売り上げはかなり好調ですね」
と話す。同社の国産と中国産の販売割合は、08年まで9対1と国産が圧倒していたが、09年は国産7割に対して3割にまで中国産の販売数を増やす計画だという。
また、近畿圏を中心に203店舗のスーパーを展開するライフコーポレーションも、07年から中止していた中国産ウナギの販売を09年4月から再開している。現地メーカーの視察を綿密に行い、十分に安全を確認できたためだという。
「弊社では、売り場に製造方法を詳細に記したものや、産地の写真付きのポスターを用意して少しでも消費者に安心してもらえるように努めています。過去の事件があったからこそ、今は品質管理がしっかりしているはずと安心して買われるお客様が多いですね。今後も売れ行き次第で販売数を増やしていく方針です」(ライフコーポレーション広報担当者)