カメラ1台あたりの維持費は「月6000ドル」
費用面でも問題がある。一台あたり月6000ドルもの維持費。交差点によってはカメラを4台も設置しなければならないので、そうなると総費用は2万4000ドル。これらの費用は信号無視でチケットを切られた人たちからの罰金でまかなうことになる。が、だいぶ前に読んだ新聞記事によると、カメラ設置によって無理な赤信号突破が減り、結果、信号無視による事故は減るものの、チケットを切る回数も減ってしまい、収入が減り、カメラの維持費がまかなえない、とあった。
また大事故は減っても、写真を撮られないように急に止まるため、今度は追突事故が増えるとも言われている。
今現在、OCでこのカメラを設置しているのはたった5市。それらの市も設置費用が回収できずに問題を抱えているところが多い。2001年に設置してみたものの、すぐに取り払った市も。
このところの経済悪化により、カリフォルニア州および各市も財政難で、設置予定とされていたのに未だに設置されていない交差点もある。
初めてこのカメラの存在を知ったとき、明らかに不公平だとおもったのは同じ交差点でも青信号の長さが異様に短い左折レーンにはいったときだ。数えてみると数秒しかない。
「これはそのうち誰かクレームをつけそうだなあ」と思ったら、あとで「他の交差点の左折レーンに比べて短いのに写真を撮られて、チケットをきられるのは納得いかない」と訴えてそれが認められた人がいた。彼のおかげで、それ以降、カメラが設置されている交差点において、長さの不平等はなくなった気がする。
ただ、私がよく使う通りはカメラ設置交差点および設置候補交差点が多い。急いでいるとついつい無理にいこうとするような気もして、自分を戒めなければと思っている。2度目のトラフィック・スクール受講は8時間講義ではすまないのだから。
野村香奈