音大出たての美女4人 「COLORFUL」に聞く

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COLORFUL
『ブレーメンのおんがくたい』
OMCA-1109
2500円
3月18日発売
オーマガトキ/コロムビアミュージックエンタテインメント


   生誕100年を迎えたハンス・フィッシャーという絵本画家(1909~1958年)のファンは多い。その挿絵をアルバム・ジャケットにしたCDがあった。興味が湧いた。クラシック・テイストのとても暖かなCDだった。メンバーは大学を出たての女性4人組と聞いて、初のインタビューを試みた。(加藤晋)

―皆さん洗足学園音楽大学の同窓生?

一同「そうです」

―皆さん卒業されたんですよね?

小田「私以外は去年卒業していて、私もこの3月で卒業しました。4月からは大学院に進学しました」

―他の皆さんは、現在COLORFULの活動以外は何をされてるんですか?

若林「東京ミュージック&メディアアーツ尚美で、引き続きクラリネットを勉強しています」
沢目「今はフリーでやっています。主にCOLORFULの活動が中心ですが、中学生やジュニアのオーケストラでクラリネットを教えています」
中村「私も同じです。中学や高校に教えに行ったり、吹奏楽で指揮をふったりしています」

―結成はいつですか?

若林「2007年の4月です」

―結成のきっかけは?

小田「普段から4人とも仲が良かったという事が大きいんですが、まずクラリネットアンサンブルコンクールを受けようという事で結成しました。コンクールに向けて活動する他に、クラリネットアンサンブルが一般的にはあまり知られていないので、色んなコンサート活動をすることで、私たちがその魅力を伝えていければと思って結成しました」

―クラリネットアンサンブルコンクールとは、どんな方の集うコンクールなんですか?

若林「高校生から上限なく幅広い年代層の方が出場されていまして、私たちのような四重奏や、二重奏、大編成のクラリネットアンサンブルまで様々な団体が出ます」

―そこで去年優勝されたという事ですが、何組くらい集われるんですか?

若林「年にもよりますが…」

―編成とかで分かれているんでしょうか?

若林「そうですね、編成で分かれていて、その分け方も毎年変わったりするんですが、だいたい1部門15~20組位ですね」

―学校の授業などと平行して練習するのは大変だったんじゃないですか?

若林「4人とも凄く積極的な性格で、大学時代は他のオーケストラや別の室内楽にも参加していてかなり忙しかったんですが、このコンクールに出るからには絶対に賞を獲ろうと思っていて、苦とは思わずに練習できました」

若林「一番好きなのは音色です」

(写真右から)1st 若林 愛(わかばやしめぐみ)  2nd 沢目 未樹(さわめみき) 3rd&Escl 小田 祐子(おだゆうこ) 4th&Bass 中村 奈央(なかむらなお)
(写真右から)1st 若林 愛(わかばやしめぐみ)  2nd 沢目 未樹(さわめみき) 3rd&Escl 小田 祐子(おだゆうこ) 4th&Bass 中村 奈央(なかむらなお)

―クラリネットという楽器自体、あまり一般には馴染みがない印象ですが、クラリネットの魅力について、お1人ずつ教えてください。

若林「一番好きなのは音色です。柔らかい音も出せれば、明るい音、暗い音も出せたり。見た目は真っ黒の楽器なんですけど、出す音は本当にいろいろな音があって、それこそカラフルな音、音色が好きです」
沢目「広い音域が魅力ですね。頑張ればと4オクターブぐらい出ます。表現の幅も広くなると思いますし、私は特に低いほうの音が好きです」
小田「最初に惹かれたのは、見た目です。他の楽器って金銀でみんな同じように見えたんですね。クラリネットだけ黒かったので惹かれまして……実はクラリネットには、小さい高音楽器から170~180cmくらいの低い伴奏用まで、13種類くらいあります。同属楽器だけの演奏はつまらなく聴こえるものですが、クラリネットには色んな音色がありますから、そこが魅力ですね」
中村「私も音色に魅力を感じています。ビブラートをかけなくてもキレイに響く楽器はクラリネット以外あんまりないと思うので、そういうところが一番の魅力ですね。クラリネットの音は決して派手ではないんですが、心に残る、芯のある心地良さがあり、そこにも魅力を感じます」

―クラリネットの音には、とても明るく弾むようなイメージがあります。どんな音楽に適した楽器だと思われますか?

若林「ジャンルの枠にとらわれないのがクラリネットだと思います。どんな音楽にも合わせた音色が出せ、管楽器の中でも幅広い音域がありますので、色んな音楽に合うと思います」
小田「他の管楽器に比べて、暖かく心地の良い音が出る楽器なので、やっぱり優しく人を癒すような音楽に一番合っているのではないかなと思います」

―今回の『ブレーメンのおんがくたい』を制作するにあたって、苦労した事はありましたか?

小田「初めてのスタジオ録音で、最初は緊張しました。重ね録りも初めてで。それぞれのベストテイクを選ぶのが難しかったですね」

―レコーディング自体はいつ頃で、どれだけ時間をかけたものでしたか?

沢目「去年の11月位にデモ録音を始めて、今年の1月一杯、日にちにしてトータルで20日間、時間にすると200時間はかかっていると思います」

―グリム童話、あるいは「ブレーメンのおんがくたい」は、ご存知でしたか?

中村「はい。ハンス・フィッシャーさんの絵が凄く好きですね」

―出来上がったCDは、皆さんにとってはどんなCDになりましたか?

若林「自分たちの演奏を聴いて素直に楽しいなって思えます。1曲1曲心を込めて吹いたので、全体を通しても楽しいアルバムが出来ました。聴いていただいた皆さんに楽しく、元気になってもらえたらと思います」
沢目「明るくて、元気なイメージがあるCDになりました。さまざまなジャンルの入った作品なので、私たちの色んな表情も見てもらえると思います。COLORFULらしいCDが出来たんじゃないかな」 小田「自信作です(笑)! クラシック、ポップスの区別なく大勢の方に聴いてもらいたいですね。お子様からご年配の方まで楽しくなれるアルバムだと思います」 中村「明るくて弾むようなイメージのCDが出来たと思っています。もともと"COLORFULのおもちゃ箱"というテーマがあり、その通りに仕上がったと思います。

―これからどんな活動を展開しましょうか?」

若林「近々の目標は、大勢の皆さんに私たちの音楽を伝えていけるように、たくさん演奏会を開いて、全国を周りたいなと思います」
小田「まずは様々な方に興味を持ってもらいたいですね」

―耳馴染みのある曲が聴こえてくると嬉しいですね。この作品をどんな方に聴いてもらいたいですか?

沢目「小さなお子さんから年配の方まで聴いてもらえる選曲ですが、やはりお子さんに聴いて欲しいなと思います。以前、小さなライブをさせていただいたときに私たちの演奏を聴きながら子供たちが一緒に踊ってくれて。それがとっても嬉しくて。このCDを聴きながら歌ったり踊ったり、楽しんでもらえたらって思います」

―では最後に読者へのメッセージをお願いします。

若林「本当に"楽しい"という言葉通りの作品だと思います。私たちの演奏を聴いて、みなさんがクラリネットの事を好きになってくださいますように!」

売れて何ぼの音楽業界だが、これほどシンプルに自分たちの活動の目的を話せることに驚きを感じる。スタッフが良いのか、業界に無知なのか…。よしんば後者であったとしても、そのままでいて欲しい、と切に願うおじさんなのだった!!



◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70〜80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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