白髪を真っ黒に
私自身が受けてきたこうした差別は、少なからず現代のギャルも経験しているようです。
「何もしてないのに変な目で見られる」
「何か悪いことがあると自分たち(ギャル)のせいにされる」
私もこういった気持ちを感じていた一人です。
当時、偏見を持たれたり、差別を受けるうちに、多少躊躇はあったものの、自慢だった白髪(ハクハツ)を真っ黒にしました。社会に対しての自分なりの反発と言うのでしょうか。
しかし、それまで白だった髪をいきなり真っ黒にする訳ですから、自分以上に周りが違和感を覚えたようです。
仲良しのギャル友からは「前の方が似合ってた!」と言われ、仲良しだったクラスの先生からも一言。
「何で真っ黒にしたんだ? 白髪だったのは、お前の"個性"だったのに"らしさ"がなくなったじゃないか!」と…。
その時に、ハッっと思い知らされました。
"個性"や"らしさ"というカテゴリーが、自分達の場合は"ギャル"だったということ。
要するに、自分達を表現する方法が"ギャル"だっただけであり、個性を出すための一つのカテゴライズだったということ。
つまり、ギャルメイクやギャルファッションを可愛いと思い感じるのは、彼女達の自己表現の一つなのです。
どんな"ギャル"でも、結局のところは、1人の女性であることには何ら変わりはありません。1人の人間だということ。
もちろん、考え方や好みなどがそれぞれ異なるように、考え方は十人十色です。