アメリカの「学校」は財政難 資金集めの手法もさまざま

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ファストフードからMLBの試合まで

中身はこんなクーポンが満載
中身はこんなクーポンが満載
オバマ大統領を特集した絵本や子供向け本がいろいろ
オバマ大統領を特集した絵本や子供向け本がいろいろ

   同様なfundraisingとして、先日、Entertainment Bookとよばれるクーポンブックの購入もお願いされたばかり。これはファストフードからレストラン、テーマパークやMLBの試合といったものの割引クーポンがたくさんはいった分厚い冊子で、こちらも賢い買い物にはかかせないので、毎年自分で買う友人もいます。

   他に有名どころはというと「クリスマス・ラッピング」。クリスマス前になると、クリスマスの柄のラッピングペーパー(包装紙)などのグッズや、ギフトが載ったカタログを渡されるそうで、そこから注文。現在、中学生の息子をもつ友人いわく、「安く買おうと思えば買えるのに、fundraisingだから、という理由で、お値段が高い」。アメリカ人の友人は毎年、「大して使わないけれど」孫のために買ってあげているとか。

   「○○ドル以上売ったら、これがご褒美にもらえるから」と先生も子供を鼓舞するそうな。ただしこれは「小さい子は騙されるけど、上の学年の子には通用しない手(笑)」(中学生の息子をもつ友人)

   こちらではたいていラッピングは自分でするものですし、お店がしてくれることがあっても、日本のようにきれいに、そして丁寧にはしてはくれず、たいてい自分で好きな包装紙やリボンを買って、ギフトを包むのです。ラッピンググッズの種類は日本よりも豊富なので、それはそれで選ぶ楽しみがあるのですが、このfundraisingは「自分でラッピングする」のが当然なアメリカならではの方式なのかもしれません。

   お金としてははいってこないものの、娘のプリスクールでは絵本の購入という方法でのfundraisingがあります。毎月、絵本のカタログが配られ、これを通じて購入すると、自分のクラスに絵本という形で還元されるというものです。ここで紹介されている絵本はハードカバーより安くてお得なpaper bookなので、これもまた買う側にとっては、ありがたくて、お手頃なfundraising。先月は大統領就任式前ということもあり、オバマ大統領や、昔の有名なリンカーンなどの子供向け伝記絵本特集が組まれていて、アメリカらしさを感じました。

   カリフォルニアはずっと財政大赤字のため、公立学校の教育費は削られ、コミュニティカレッジやUC系、およびCal State系大学の学費は値上がりする一方。そのうえこの不景気が加わり、LA Timesも「それまでは"教室の掃除"などといった見えないところから経費を削っていたのに、これからは"1クラス当たりの人数増"、"教師数の削減"、"アートや外国語のクラスの消滅"、といった目に見えるところまで、削減しなければやっていけなくなるだろう」と警鐘を鳴らしています。

   日本と違って、カウンティ(郡)やDistrict(学区)、学校などによって運営方法の違うカリフォルニアの学校。fundraisingという形での貢献にも限界がきたら、任意のdonation(寄付)が義務付けされていくのは避けられないのだろうな・・・となんだか暗い気持ちにもなるのです。

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