未来が「突然」やってきた 「ニコン UP」が示す衝撃

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   ニコンが主催するアップビートクラブ(UP BEAT CLUB)というトークイベントで、未来について先日語りあってきた。場所はニコンの「UP(ユー・ピー)」という商品を実体験してもらうスペース、UPLAB表参道。表参道ヒルズの地下2階にある。僕は以前もUPには触れているけれど、改めてUPを身につけてみて、未来が突然やってきた、と感じた。しかしこういう未来は歓迎だ。

大型モニターの映像が浮かんでいるよう

アップビートクラブでのトークイベント
アップビートクラブでのトークイベント

   携帯電話が有線の電話の形から少しずつ離れて今のケータイになり、デザインの方向性は使い方次第で千差万別になってきた。これとはだいぶ事情が違う。UPの形は昔からそういうものはありかもね、と多くの人が感じつつ、それは未来のこと、と思っていた形だ。映画「未来世紀ブラジル」のようなサイエンスフィクションの世界にふさわしいツールとも言える。唐突さはニコンの意図したところだろう。その方が強い登場感を導き出せる。

   UPは無線LANやUSBで様々な映像コンテンツや音楽をダウンロードして楽しむためのヘッドマウントディスプレイだ。モーションセンサーが内蔵されていて首を動かすことでの操作もできる。片方の目にだけ届く映像は少し離れたところに大型モニターの映像が浮かんでいるかのようだ。確かに装置が提供するのはまったく新しい世界だ。

坂井直樹




◆坂井 直樹 プロフィル

坂井直樹氏
ウォーターデザインスコープ代表/コンセプター。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授。1947年京都市出身。京都市芸術大学デザイン科入学後、渡米。サンフランシスコでTattoo Companyを設立。ヒッピー達とTattooT-shirtを売り、大当たりする。帰国後、ウォータースタジオを設立し、日産「Be-1」「PAO」のヒット商品を世に送りだし、フューチャーレトロブームを創出した。2004年デザイン会社、ウォーターデザインスコープ社を設立し、ケイタイを初めとした数々のプロダクトを手がける。現在auの外部デザイン・ディレクター。07年9月、新メディアサイト「emo-TV」を立ち上げる。同年12月には、日常の出来事をきっかけにデザインの思想やビジネスコンセプトを書きつづった「デザインの深読み」(トランスワールドジャパン刊)を著した。

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