日本車は「環境」一直線
この小ささがスタンダードになるか?
スポーティーな車が目立つ欧州に比べ、日本車は環境志向が明確だ。日産の「エクストレイル」や三菱の「パジェロ」に代表されるのはディーゼルエンジンの復活。以前にも特集したように、環境面からディーゼルへの注目が集まり、日本でも少しずつではあるがディーゼル車が登場しはじめている。
エンジンとは別にボディーサイズを見直して環境対策をはかるのがトヨタの「iQ」。全長×全幅×全高が2985×1680×1500(単位はmm)と、ボディーサイズを小さくすることで燃費の向上を図り、やはり環境面への配慮を重視した車と仕上がっている。08年12月22日に発表した発売後1か月の販売台数は8000台と、こちらはなかなか好調な立ち上がりだ。
しかし、ディーゼルの車種は少数だし、普及率も低いといわざるを得ない。ディーゼルに対する悪いイメージを払しょくしていかなければならないという現実的な問題もある。「iQ」も、販売台数ランキング上位にミニバンやステーションワゴンなどの大きめの車が君臨している現状に、話題性という武器がなくなる今後、どれだけ切り込んでいけるかも未知数。環境対策をうたっていれば安泰というわけでもなさそうだ。
果敢に新しいセグメントへ乗り込む欧州、環境志向の日本、そして黙り込んでしまった米国と、世相を如実に反映したかのような08年の自動車業界。09年はこの構図がどう変わっていくのだろう。