モレスキン「シティノートブック」で 東京と京都がようやく「国際都市」に

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   黒い革のような表紙に裏表紙からぐるっと回る黒のゴムバンドのノート。モレスキンが日本でも定着してきたと思ったら、実は僕のスタッフも何人かが以前からモレスキンを使っていたようだ。デジタルの時代に何もノートなんて、と僕は一瞬思ったけれど、彼らが言うには使いやすいのだと言う。思い起こしてみれば、確かに僕の友人の外国人もけっこうな割合でモレスキンを使っている。もちろんモレスキンには惹き付ける要素がたくさんある。

広域地図、交通関係からホテル、バーなどの連絡先も

今までなかったのがちょっと驚きだが...

   傷すら味わいになる革のシステム手帳を普段は使っているスタッフが、嬉しそうにモレスキンを手にしていた。シティノートブックに東京と京都が登場したのだと言う。彼は東京版を手にしていて、僕には京都版をくれた。京都はわかってるよ、と言うと、いや、そういうことじゃないんです、と彼は笑っていた。

   広域地図、交通関係の連絡先(空港からタクシー、レンタカー会社まで電話番号が載っている)、電車・地下鉄の路線図、詳細地図、地名の索引ときて、この先はメモ帳になっている。しおりが3本。さらにレストラン、バーやカフェ、ホテル、名簿など事細かに事前にタブが用意されている。なるほど、自分の行きつけや連絡先がこれでわかる。工夫はまだまだあるがこれくらいにしておこう。その人なりの使い方ができる工夫がたくさん用意されている。

   彼はシティノートブックを過去2回買使ったことがあると言う。ひとつはパリ、ひとつはニューヨーク。どちらも長期の出張の際に現地で買って、出張の期間中で使い切り。元々このシティノートブックはそうできている。冒頭近くに「Before Going」という空白の見開きがあり、続いて「Travel Planning/Memo」という場所、日付、メモと旅行日程が書ける見開きがある。出張中に行った場所、日付、メモと地図の上に書き込んでも問題ない。ノートだから、くたびれたら新しいのを買えばいい。普段純粋にデジタルになってしまった僕もこの手帳なら楽しめそうだ。

マティスにヘミングウェイ、ピカソも使っていた

青山学院周辺の地図。デザインもオシャレだ

   モレスキンの手帳を僕のスタッフがよく持っているのには簡単な理由がある。モレスキンの持つ歴史を彼らは携帯していたいのだ。マティスが使った、ゴッホが使った、ヘミングウェイが使った、ピカソが使った。そしてその先にある伝説も知っている。モレスキンを持つということはモレスキンの伝説を持つということなのだ。もし身の回りにモレスキンを持っている人がいたら聞いてみるといい。たいてい物語を知っている。

   シティノートブックはヨーロッパの24都市、北米の12都市に続き、この秋にアジアの4都市、東京、京都、香港、北京が加わった。もちろん旅行に便利なように作られたシティノートブックである。しかし、自分の住む街でこれを使うのもひとつの楽しみ方だ。

   東京で暮らしている、様々な分野で活躍する50人が自分なりに使ってみた「使用後のシティノートブック」が都内の様々な場所で今、展示されている。「MY OASIS IN TOKYO EXHIBITION 2008」という統一タイトルだ。近くで見つけたら、軽い気持ちで覗いてみるといいかもしれない。人の手帳を覗く機会というのは実はあまりない。これがけっこう面白い。

坂井直樹




◆坂井 直樹 プロフィル

坂井直樹氏
ウォーターデザインスコープ代表/コンセプター。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授。1947年京都市出身。京都市芸術大学デザイン科入学後、渡米。サンフランシスコでTattoo Companyを設立。ヒッピー達とTattooT-shirtを売り、大当たりする。帰国後、ウォータースタジオを設立し、日産「Be-1」「PAO」のヒット商品を世に送りだし、フューチャーレトロブームを創出した。2004年デザイン会社、ウォーターデザインスコープ社を設立し、ケイタイを初めとした数々のプロダクトを手がける。現在auの外部デザイン・ディレクター。07年9月、新メディアサイト「emo-TV」を立ち上げる。同年12月には、日常の出来事をきっかけにデザインの思想やビジネスコンセプトを書きつづった「デザインの深読み」(トランスワールドジャパン刊)を著した。

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