「僕はガンダム世代なので……」
発売中のDVD「やわらか戦車~YAWARAKA TANK2~」。「やわらかアトム」も収録
――「やわらか戦車」と「鉄腕アトム」とのコラボはユニークだった。コラボすることになった経緯は?
ラレコ 手塚プロから打診があったんです。いや、打診というよりも「やわらか戦車」をつくっているファンワークスの高山社長が、手塚プロの方と交わした世間話がはじまりです。当時、手塚プロのほうでも、キャラクター資産を開放して、二次創作物を推奨し始めたところで、一緒にやることになったんですよ。
――でも、アトムなのに弱いですよね?
ラレコ コラボでは、「強い」やわらか戦車を作るか、「弱い」アトムを作るかどちらかを描く選択肢があったけれど、やっぱり後者になった。結果的に名作に泥をぬってしまう形になってしまいましたけど(笑)。
――今後、コラボしてみたいアニメは?
ラレコ 僕はガンダム世代なので、もちろんガンダムです! あとは、サザエさんも好きなので、「やわらかサザエさん」はどうでしょうか。ただ、サザエさんの家には猫のタマがいるから、一家全員、どっかさらわれちゃって、おしまい――みたいな(笑)。
(編注:「やわらか戦車」は、アニメの中で戦場からネコにくわえられ、どこかに連れ去られてしまうシーンが多い)
――話題になっている、「せんとくん」はどうか?
ラレコ 個人的には好きです(笑)。以前、やわらか戦車に鹿の角を生やしたバージョンをブログ上で発表したことがあるんです。今思えば、あれはせんとくんっぽかったですね。いや正直、角を書き足しているときは、せんとくんを意識しまくりでした(笑)。角はなかなか似合っていたので、もし正式にお話をいただけたら、面白いかもしれないですね。
――最後に、今後の「やわらか戦車」の展開は?
ラレコ 「やわらか戦車」は2005年に発表してから、3か月で50社のオファーがあり、一気にキャラクタービジネスになってしまったんです。もともとは単なるショートムービーを作りたかっただけなのに、作品の展望もないまま一気にキャラクタービジネスに化けてしまった……。ですから、作品と向き合う時間が足りなくなってしまった反省があります。
いまは、作品としての「やわらか戦車」に立ち返りたい、という気持ちが強いですね。連綿と連なっていくような物語をつくりたい。うた+アニメのPV的なものからはじまった「やわらか戦車」ですが、さらにストーリー的な部分に踏み込んで、より作品世界に没頭していきたいと思っています。