芸能界は空前のお笑いブームに沸いているが、芸人を育成する「笑いの学校」の門を叩く人も増えているようだ。そのうちの一つ、東京のワタナベコメディスクールをたずね、芸人養成所の様子をきいた。
仕事や勉強をしながら「お笑い」が学べる学校
テンゲンの中島正晴さん(左)は大学時代に鍛えたボディで「筋肉芸人」を目指す
ワタナベコメディスクールは、大手芸能プロダクションのワタナベエンターテインメントが2004年10月、東京・恵比寿に開設した学校だ。「お笑いタレント」「バラエティタレント」「放送作家」の3つの専攻ごとに、現役のお笑いタレントや放送作家が講師になって、笑いの基礎を伝えていく。
授業は平日の夜や週末に設けられているため、仕事や学業と並行して通うことができる。平日はアルバイトをしながら学校に通う「芸人の卵」が多いが、なかには現役の東大生もいるのだという。
「東大1年の女の子で、入学と同時にうちのお笑いタレントコースにも通い始めました。まったくの未経験で入ってきたので、これからの可能性に期待したいと思います。」
と、ワタナベコメディスクールの坂本拓也主任は語る。
ほかにも、北京五輪メダリストの練習相手をつとめていた女子柔道選手や47歳の英語塾講師など、コメディスクールに集まってくる生徒たちのプロフィールはさまざまだ。入学希望者の数も年々増えているが、その背景には昨今のお笑いブームがある、と坂本主任は言う。
「テレビではお笑い番組が多いですし、そういった番組を見てお笑いを目指す人が増えてきています。最近はスクールに入ってプロになるというのがスタンダードになってきていることもありますので、スクールに興味を持つ人が増えているんだと思いますね」